ショートショート「ひもの理論」 | haniwaのガラクタ箱 in the ショートコント

haniwaのガラクタ箱 in the ショートコント

日々の思いついたこと(多くはショートショート)、ゲームの企画、映画批評など

ショートショート「ひもの理論」


佐藤「上司殿、超ひも理論てなんですか?」


上司「なんだ?佐藤そんなこともしらんのか?」


佐藤「はい、教えてほしいっす」


上司「簡単に言うと

 物質の最小単位の量子(原子)は点ではなく、

 ひもであるって考え方だな」


佐藤「ひも?」


上司「そうだ、ひもだ。

 しかも、単なるひもじゃないぞ。」


佐藤「どんな、ひもなんです?」


上司「ぷるぷる振るえているやつだ。」


佐藤「はぁ」


上司「この理論は頭がいいやつらが夢中でな、

 いったんは否定されたんだが、

 また、やっぱり肯定されたんだ。

 熱い議論の繰り返しだな。」


佐藤「頭のいいやつらは

 ひもに夢中てことですか?」


上司「そうだ。

 また、それとは別に

 宇宙ひも理論は知っているか?」


佐藤「いえ、知りません。」


上司「宇宙の出来た原因は

 実はひもであるって考え方だ。」


佐藤「宇宙の出来た原因がひもなんですか?」


上司「そうだ。 しかも、たんなるひもじゃないぞ。

 重くてゆらいで、、、

 プルプル振るえている奴だ。」


佐藤「はぁ」


上司「この理論も頭のいいやつらでは、

 熱くてな、

 人によってはタイムマシンが

 作れるとか言っているんだ。」


佐藤「頭のいいやつらは

 ひもに夢中てことですか?」


上司「そうだ。

 頭のいいやつらの興味はわからんな。」


佐藤「そうですね。

 僕はそんなことより、

 うまいラーメンのほうが興味があります。」


上司「おおっ!

 たまには佐藤もいいこと言うな。

 そういえば、

 この間、うまいラーメン屋を見つけてな。

 ただ、うまいラーメンだけじゃないぞ」


佐藤「えっ!? どんなラーメンなんですか?」


上司「プルプル振るえている麺だ!」


佐藤「食べたいっす!

 そのプルプル振るえている麺食べたいっす!」


上司「ようし、

 じゃあ、佐藤君、頭のいいやつらが

 プルプル振るえているひもに

 夢中になっている隙に

 こっちは、

 プルプル振るえているうまいラーメンを

 食べに行こうじゃないか?」


佐藤「食べに行きましょう!

 オレ、うまいラーメンが食べれるなら

 頭が多少悪くてもいいです。」


上司「そうだな。

 じゃあ、うまいラーメンを食べるために

 いい仕事をしようじゃないか?」


佐藤「はいっ!

 ひもとか、

 もうどうでもよくなりました。」