今お笑い業界は明らかに飽和状態で上のポストが空かないので下の芸人の居場所はほぼ無いと、某有名作家さんが言っておりました。
確かに私もそう思います。
テレビのバラエティ番組を見ていると内容は違いますがほとんど同じ芸人さんばかり出ていますしね。
◆コンテストで優勝しても売れるとは限らない
実力はあるのにチャンスが無い芸人に夢を掴める制度としてR-1やTHE MANZAIやキングオブコント(KOC)があります。
過去にはM-1グランプリもありましたね。
これこそ本当にただ面白い人が勝ち残る大会です。
優勝するとテレビに引っ張りだこに一時的にはなります。
しかし歴代のコンテストのチャンピオン達全員がテレビに沢山出ているかと言ったらそうでは無いですよね!
例えばM-1で優勝したブラックマヨネーズ、チュートリアル、フットボールアワーなどはテレビで見かけることはありますが、東京03やパンクブーブーは正直な所、同じチャンピオンですがあまり見かけません。
むしろM-1などで健闘したオードリーやスリムクラブなどの方が売れています。
※ちなみに2009年のR-1で優勝した中山功太さんはお笑いの仕事があまり無く、アルバイト中心の生活になっている様です。
◆なぜコンテストの歴代チャンピオンに差が生まれたのか
何度も言っておりますがお笑い芸人とはいえ芸能関係というくくりには変わりはありません。
テレビでは使いやすい・人気があるタレントが使われるのは当然です。
結局テレビというのは『この人達の私生活ってどんな感じなんだろう?』『この人がテレビに映っていると見てしまう』など視聴者が気になってしまうようなモノ・存在感を持っていないと出続けるのは無理ではないのかと思います。
それではここで売れた芸人と売れなかった芸人を簡単に分析させて頂きます。
あくまで私の仮説ですが例えば、以下4組の芸人のことを始めて見るというお客さんの前でネタをやってもらうとします。
・東京03( KOC2009優勝)
・キングブコメディ(KOC2010優勝)
・パンクブーブー(2009年M-1グランプリ、THE MANZAI 2011優勝)
・オードリー
この4組のネタを初めて見たお客さんに、どの芸人さんが一番印象に残ったか?とアンケートを取ったとしたら大抵がオードリーに偏るでしょう。
見ているお客さんの設定がお笑い通だったり男性ばかりだったら結果は違ってくると思いますが、しかし、テレビを見ている人の大半が女性と子供が中心です!
お笑いLIVEに来るお客さんもほとんどが10~20代の女性が中心なんです!
【女性・子供が理解できて尚且つ、心を掴めそうなモノ】そう考えたらオードリーのコンビバランスとネタが一番お客さんの心を掴みそうな気はしませんか?
他の3組も間違いなく面白いのですが、テレビで需要があるタレント性(気になるような存在感や、ついテレビに映っていたら見てしまうという)という点でオードリーの2人の方が上回っているでしょう。
また、大半の女性や子供はシンプルで分かりやすいモノの方が有効ですし、オードリーのネタはボケた時の提示が他の3組にくらべて突出して分かりやすいという点も大きいでしょう。
ここで取り上げた理由が全てでは無いと思いますが、コンテストの歴代チャンピオンに差が生まれた理由が少しは理解できましたでしょうか?
◆現在お笑い芸人をしている人へ
大雑把な言い方ではありますが、現役でお笑い芸人をしている人はただ面白い事のみを追求するのではなくて、テレビタレントとして使ってもらえるにはどうしたら良いか?という戦略を立てながらお笑い芸人をした方が良いでしょう。