アクセスして頂き、ありがとうございます。ニコニコ

児童小説として描いた為、子供に話しかける様な表現で始まります。照れ


★プロローグ★

 

君は知っているかな?

街のゴミを集めるヒーローを!

 

みんなのお家から出たゴミは、近くのゴミ集積所に捨てるよね?

 

捨てられたゴミは、気付いた時には無くなっている。どうしてかな?

 

それは みんなのヒーロー、クリーンアースレンジャーが ゴミを集めているからだよ!

街がキレイになるのは、レンジャー達のお陰なんだね!

 

その活躍を、是非みんなに知って欲しい!

 

 

 

「おはようございます!」

 

朝になると、沢山のレンジャー達が集まってきたよ。

今回、みんなに紹介するのは、この3人!

 
 
★真ん中にいるのが、リーダーのブルー!

10年以上、レンジャーとして活躍しているベテランなんだ!
仲間を引っ込ぱる、頑張りや!

 

★左にいるのは、「モッタイナイ!」が口癖のグリーン。
ギニアという国から日本へやってきた外国人だよ。

実は日本では、「クリーンアースレンジャーには、なりたくない!」と言う人が沢山いるんだ。

だから、外国から来た人に手伝ってもらう事もあるんだよ。

★右にいるのは、今日から仲間になった ピンク!
ピンクは、女の人。
レンジャーになる人は男の人が多いけれど、女の人も活躍しているよ!

 

レンジャーは、3人で1つのチームとなるんだ!

でも、レンジャー達の力だけでは 大量のゴミを運べないね。
ここで、最強のサポーターを紹介しよう!

出ておいで!クリーントラック!

 

チャチャチャチャーーーン!

 

 

前は運転席!

ゴミは、後ろ側から入れるよ。

 

出動する前に、トラックの中の仕組みを簡単にお伝えするね!


こちらが、トラックの後ろ側。↓

 

 

 ゴミを入れる場所は、バケットと呼ばれているよ。大きな箱の入り口といえるね。

トラックの横にはボタンが付いていて、これについては次で説明するね。

 

↓次は、トラックを横から見た時の中の様子だよ。

 

 

ボタンを押すと中に付いた大きな板、プレス板が動き出すよ。


プレス板は反転して下へ降りると、入ってきたゴミ袋を強い力で押し潰すんだ。

小さくなった沢山のゴミ袋は持ち上げられて、トラックの奥へと詰め込まれていくよ。
どう?力持ちで、カッコいいでしょう?

 

さて、トラックには どれくらいのゴミが入ると思う?
実は、な~んとっ!2トンも入っちゃうんだ!

 

日本は、よその国よりもゴミの量が多くて、1年間に出されるゴミの量は、4167万トン!(東京ドーム112個分。)

 

だから、沢山のゴミを運べるトラックが作られたんだ。


「おい、おい!もう出動の時間だよ!」

 

おやおや?クリーントラックが、新人のピンクに声をかけたよ。

「やだっ!ごめんなさい!
トラックが喋るって聞いたものだから、アナタの事が気になっちゃって!」


ピンクは、興味津々でトラックを見ていたんだね。

それも、そのはず!
トラックの声は、レンジャー達にしか聞こえないんだ。
人間が作った物は、心を持っているんだよ。
それについては、物語を読んで知って欲しいな。

 

さぁ、まもなく出発だ!


「2人とも、今日は よろしくね!」

 

「宜しくお願いします!」

「よろしくね~!」 

 

3人は顔を見合わせて挨拶をしたよ。

準備ができたみたいだね!

 

ブルン!ブルン!


エンジンが掛かったなら、3人を乗せてトラックは走り出す!

 

ブルルルルーー!


さぁ、出動だーー!

 

 

 

★第1話★ゴミは、人の心を映し出す★

 

クリーントラックは、沢山の一軒家の間を走りました。

ピンクは地図を見ながら、集積所のある場所を確認します。

 

「この辺りよね!」


「うん。あそこだよ。」

 

グリーンが指を向けた先に、大きな箱が2つ並んだ集積所が見えました。

 

 

 ブルルルル!

 

運転手のブルーは、集積所から少し離れてトラックを止めました。
集積所の前の道路は とても狭いので、広い場所まで進んだのです。

 

「さぁ、行きましょ!」

 

そう言って、ピンクがシートベルトを外します。

 

「待って、ピンク!その前に、する事があるよね?」


「あっ、そうだわ!」

 

ピンクが声を上げると、3人はポケットに手を入れました。

 

ジャジャン!

取り出したのは、それぞれの色のグローブです。

 

「ケガをしないように、気をつけてね!
クリーングローブ、装着!」


「はい!」 「おう!」


3人は、素早くグローブを装着します。

チャキーーーン!


全員で同時にグローブをはめると、ポーズを決めました。

「クリーンパワー★レベルアップ!!」

 

ティッティリーーーーッ!

 

 

グローブを付けた3人の気持ちは、パワーアップしたのです!

 

「よしっ!いくわよ!」

 

ピンクは、勢い良くトラックから飛び出しました。

 

「ちょっと、待って!ピンク!」

 

ブルーが呼びかけます。

 

「集積所にある箱は、ゴミストッカーというんだ。ヤツらは、俺達が相手をする・・」

 

「私でも、大丈夫よ!」

 

ピンクは話を最後まで聞かずに、集積所に向かって走り出しました。

 

「ゴミを集めるだけよ!平気!平気!」


余裕の笑顔でゴミストッカーの前に到着すると、フタの持ち手を握ります。

 

ガバッ!

腕を伸ばして中を開くと、大きさが様々なゴミ袋が詰め込まれていました。

 

「うわっ!このゴミ袋は、大きいわね!
でも、負けないわよ!」

 

ピンクは、一番上に置かれた大きなゴミ袋を睨みつけました。

腕に力を入れて、両手でガッシリと袋をつかみます。

 

「ヨイショ~!」

 

ところが、精一杯 力を入れても 思うように持ち上がりません。

「何よ?このゴミ!生意気ね!」

ピンクは 大きなゴミ袋を下から持ち上げようとして、更に腕を伸ばし頭を下げました。

 

すると・・。

ガタン!

大きな音と共に、勢いよくフタが閉まったのです。

 

「キャアアーーーー!」

 

 

ディロリロリーン!

 

なんという事でしょう!


ピンクはフタに挟まれて、ゴミストッカーの中に突っ込んでしまったのです。

 

「だーかーらー、俺達がやると言っただろっ!」

 

駆けつけたブルーがフタを持ち上げると、ピンクは慌てて顔を上げました。

すると、グリーンが2人の間に入ります。

 

「ゴミストッカーはね、フタのバネが弱くなっている物があるんだ。
【ゴミ袋を取り出している時に、フタが戻ってきて挟まれちゃうから気をつけて!】
って、伝えたかったんだけど、ピンクったら すぐに出て行っちゃうんだもん。」

 

「そうだったの~!?
ちゃんと話を聞けば良かったわ!」

 

ピンクが恥ずかしそうに下を向くと、ブルーはニッコリと笑いました。

 

「こういうゴミストッカーを、【人食い箱】って呼んでいるんだ。
俺も食べられた事があるよ。」

 

「僕も、あるよ~!フフフ!」

 

グリーンも笑顔を向けると、ピンクは顔を上げました。

 

「えへへ!次は頑張るわ!」

 

そう言って ピンクが もう一度ゴミ袋をつかもうとすると、ブルーが慌てて手を伸ばします。

 

「待って、ピンク!
もう一つ伝えておきたい事があるんだ。」

 

真剣な表情を見せたブルーは、ゴミストッカーの中の大きなゴミ袋を取り出しました。

 

「これを、見て!」

 

ゴミ袋の口は、開いています。
袋の中からは、沢山のタバコの吸い殻が見えました。

 

「ゴミ袋の口が、縛られていないでしょ。
これだと中身が飛び出て散らかるから、持ち上げる時には気をつけてね。」

 

 

そう言われて、ピンクは目をパチクリさせました。

 

「どうして、口を閉じないのかしら?」

 

「それは、俺も聞きたいよ。
ただ縛るだけなのに、どうしてやらないのかね。」

 

ブルーは呆れた顔を見せながら、ゴミ袋をピンクの顔の前まで持ち上げました。

 

「ゴミを捨てた人間の心を聞いてみる?」

「ええっ?」

 

「ゴミ袋を見ててごらん。」

驚いたピンクは、ドキドキしながらゴミ袋を見つめました。

ギョミーーン!

すると突然、ピンクの付けているゴーグルが光り出したのです!


「ギョミーーーン!
ゴミの声を発信します!」

 

 

声を上げたのは、ゴーグルに付いたキャラクターのゴミリンです。

 

「えっ?ゴミの声って・・。」

ピンクが尋ねようとした時、ゴミ袋から不気味なモヤモヤが出てきました。

 

「ぎゃあっ!何なの!?」

怖がるピンクの前で モヤモヤは形を変えると、袋に人の顔を作り出したのです!

目はつり上がり、大きな口には沢山のタバコを加えています。

 

 

「俺は、忙しいんだっ!
ゴミ袋の事なんて、考えているヒマはないんだよ!」

 

「うげぇっ!ゴミ袋が喋った!
これが、ゴミの声?」

 

ピンクは気味悪そうに叫びました。

 

「そう。こういう人がいるんだよ。

タバコを吸う時間はあるけど、袋を縛る時間はないんだって。」

 

そう答えると、ブルーはゴミ袋の口を固く結びます。

 

「袋を縛るなんて、子供でもできる事よ!
何か不便がある訳でないのなら、協力して欲しいわ。」

 

ピンクが口をへの字にして言うと、グリーンは残念そうな顔を向けました。

 

「こういう事は よくあるんだ。
少しずつ覚えていってね。」

 

「えぇ~!?縛るだけなのに~!」

 

納得いかない様子のピンクを見ながら、ブルーはゴミ袋を差し出します。

 

「俺達がゴミ袋を取り出すから、ピンクはそれを受け取ってトラックまで運んでね。」

 

「あっ・・、はい。」

 

ピンクは慌ててゴミ袋を受け取りましたが、気持ちは すっかりパワーダウンしていました。
それに気付いたグリーンは、元気良く腕を上げます。

 

「ここは、僕達に任せて!」

 

そう言って、トラックの横に付いたボタンに手を伸ばします。

 

「プレス板、発動!!ポチッとな!」

 

ウィーーーン!

 

ボタンが押されると、トラックの中のプレス板が動きました。

 

ブルーとグリーンは、2つ並んだゴミストッカーの中から勢い良くゴミ袋を取り出します。

 

「そいやーー!せいやーー!」

 

「捕まえてやるぜ!ゴミモンスター!」

 

2人の動きは とても速く、ものすごいスピードでゴミ袋が出てきます。

 

 「すっ、すごい早業!!」

 気合いの入った2人の姿を見て、ピンクの体に力が入りました。

 

「私も手伝わなきゃ!」

 

2人からゴミ袋を受け取って、トラックのバケットの中へ運びます。

 

ゴウン!ゴウン!

力強く動くプレス板は、沢山のゴミ袋をトラックの中へと押し込みました。

 

「よしっ!終わり!」

 

2人は、あっという間にゴミストッカーの中を空っぽにしたのです。

でもピンクは2人の動きについていけず、足元に沢山のゴミ袋を転がしていました。

「遅くて、ごめんなさい!」

ピンクが謝ると、ブルーもグリーンも笑顔を作ります。

「自分のペースでいいよ!」
「気にしないでね!」

そう言って、2人はピンクを手伝います。

 

(2人とも、すごいわ!
私は、もう腕と腰が痛くなっちゃった!
最後まで頑張れるか、心配・・。)

 

そう思いながらピンクが最後のゴミ袋に手を伸ばすと、ブルーはトラックの停止ボタンを押しました。

 

「ピンク、気をつけろ!
そいつは、ゴミ汁モンスターだ!」

 

「ええぇ?何よ、それ?」

 

ピンクは、手を引っ込めます。

 

「その名の通り、ゴミ汁が いっぱい入ったモンスターだよ。」

 

ブルーは、最後のゴミ袋を持ち上げてバケットの中に入れます。
すると、3人のゴーグルが光り出しました。


「ゴミ汁モンスターの声を発信します!」

声を上げたのは、ゴミリンでした。
そして、またしてもゴミ袋に顔が浮かび上がったのです。

 
 
「ケケケケケ~!」

 

ゴミ汁モンスターは、嬉しそうに笑っています。


「ケッケッケッ!
俺は お前らの事なんか、どうなっても構わないのだ!

ぶちまけてやるぜ~!」

 

★つづく★

 

アメブロは文字数と画像の制限があるので、ここで区切ります!

 

2話も、同時に公開します!

最後までお付き合い頂ければ幸いです!

宜しくお願いします!おねがい