私が日本舞踊を本格的に始め

江戸時代に興味を持ち出したきっかけの1つになったのが

石川英輔さんという作家の書いた
一連の著書にあります
 

多くの作品を書かれてますが
「大江戸神仙伝」のシリーズは
特にお勧めです





主人公が現代社会から
江戸時代にタイムスリップし
恋人の江戸芸者いな吉との
恋物語を展開していく
という内容でとても面白くて
続けさまに全部読みましたが
ただの恋愛小説ではなく
話の中にさりげなく出てくる
江戸時代の知恵や習慣の殆どを
このシリーズで知った
と云っても過言ではありません
 

例えば
突然尾籠な話で恐縮ですが
 
日本は下水が無くて不衛生だった
という印象が有りましたが
実はそうでは無く正確には
糞尿は全て下肥として 
買い取られたため
下水を作る必要が無かったそうです
 

それもケチで食べ物を始末している
商人の物は質が悪く
反対に女房を質に入れても
初物を食べようなんていう
食べ物には金の糸目を付けず
宵越しの金は持たない
身体が資本の職人の方の
質が良いとか

面白可笑しく真実を伝える
この物語には
完全に嵌ってしまいました
 
着物もそうです
庶民は絹の着物など中々
身に着けられなかった様ですが
木綿の着物でも大切に大切に
擦り切れるまで着回しされ
その後奇麗な所だけを使い
帯や腰紐に仕立て直され
その後座布団になり
おしめになり
雑巾になり
細く切って縒り合わせ
下駄の鼻緒にし
切れた鼻緒は焚付けに
使われたそうですが

これで驚いていてはいけません
まだまだその先が有るのです
焚付けに使ったら
灰になってしまってお終い
と普通は思うのですが
江戸人の凄さは
この灰でさえも無駄に
しなかった所なのです
 

何と灰も灰買人と呼ばれる
商人が各戸の灰を買って回り
その灰は紺屋の藍染め用をはじめ
製紙・酒造・絹の精練
家具・建具の汚れ落としなど

実に様々な用途に使われ
川越など江戸の周辺では
灰市が立つ程だったそうです

完全に循環
リサイクルされていたのですね
 
江戸がその当時の世界でも
類を見ないエコロジー都市と
言われている所以がこれで納得です





 
これはもう
貧乏だったからという理由だけでは
到底割り切ることの出来ない
素晴らしい英知と謙虚な生き様を
感じずにはいられません

 
今朝自宅の書棚を
何となく眺めていていたら
その石川英輔さんの書かれた

~衝撃のシミュレーション~
「2050年は江戸時代」

という本の題名に目が留まりました





1998年に講談社文庫から
発行されているのですが
その裏表紙には

〜21世紀 物質文明のつまづきから 日本は省エネルギー 
完全リサイクルの江戸時代へと
回帰していた 
一日三時間半働けば
暮らせる晴耕雨読の生活
必要なものは簡単につくれる
自給自足社会
自然と共存共栄していた
江戸の精神と豊かさ
楽しさをわかりやすく伝え
現代文明に警鐘を鳴らす
衝撃の問題小説〜

と書かれています
昔から作家は未来を予言
するような事を
書く人が少なくないけど

まさに今この時代の事じゃあないの?

殆ど内容を覚えていないので
もう一度読み直して
みようと思います

今年が2022年ですから
2050年といえば
後28年後ですね・・・
さて生きてるかな~

もうちょっと早く
そうなってくんないかな〜
 
 
石川英輔さんの大江戸シリーズ
是非ご一読ください下さい
 


元タカラジェンヌ&現役日本舞踊家
日本文化の水先案内人 白鳥佑佳です

Souvenir for the Future
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