本日のアウトプットは
「ランチェスター戦略」についてです。
(中田敦彦さんのYoutube大学より)
この戦略は、イギリスのランチェスターという人が、1914年の第一次世界大戦の際に、「ピタゴラスの定理」からヒントを得て、考案されたそうです。
のちに、アメリカ軍の軍事的戦略に活用され、現在では経営戦略理論としても活用されております。
この戦略の一番のポイントは、
”弱者逆転の戦略”と称されるところでしょう。
ここでいう強者とは、
「市場シェア26.1%以上の1位」という定義であり、
「それ以外の全プレーヤー」が弱者ということになります。
結論から申し上げると、
強者の戦い方は、「弱者にミートする」。つまり弱者の戦い方をそのまま模倣し、体力勝負に持ち込む(経営で言えば、価格競争に持ち込む)ということに対し、
弱者が強者に勝つには、ズバリ”差別化戦略”こそが重要であるという理論です。
では細かい内容を紹介します。
<弱者の5大戦略>
①局地戦
強者が全フィールドを牛耳るのに対し、弱者は「領域」と「数」を絞って戦うべきということです。
経営で言えば、あれこれ手を出さず、業種を絞ってやる、といったところでしょうか。範囲やターゲットを限定し、そこを集中的に狙ってパイを取りきる、ということです。
中田さんは、Youtubeのチャンネル名を「中田敦彦チャンネル」から「中田敦彦のYoutube大学」に変更し、教育系Youtube、それも大人向けにターゲットを絞ったそうです。
②一騎打ち
強者が確率論で戦略を立てるのに対し、弱者は一騎打ちで勝率を50%近くまで引き上げるべきということです。経営で言えば、A社・B社・C社・D社といった複数のクライアントと契約している企業より、A社のみと契約している企業を狙ってアプローチすべき、ということです。
いくつもの会社と契約している会社は、一見いいとこ取りで効率の良いように見えますが、実はコスト最適化のことを常に考えているため、弱者の新規参入は極めて難しい状態といえます。
一方で、A社とのみ契約している会社は、良くも悪くもその会社のことしか知らないため、比較対象がない状態です。そこにアタックし、比較されたときにこちらに分があれば、一気に契約に持ち込むチャンスになるというわけです。
③接近戦
これは簡単に言えば、スーパーで卸売りするより、直接販売せよということです。
スーパーでちょっと高めの3000円のロールケーキを強者と並んで販売するより、思い切って10000円まで価格を引き上げて、さらにクオリティを高めた上で「高級ロールケーキ」として直接販売するほうが、特定のファンをゲットできるということです。
また、プロモーションにおいては、高いお金を払ってマスメディアに宣伝してもらうより、SNSの活用で自分が直接PRした方が、消費者に深く刺し込みにいけるということです。
④一点突破主義
これは、「ここだけだったら勝てる!」というゾーンに全部パワーを投入するということです。有名な下剋上である「桶狭間の戦い」では、20000の今川軍に対し、3000の織田軍が勝利しましたが、織田軍は少数の兵隊を散りばめて敵の注意を散漫にし、手薄になった今川軍本体を、織田軍が残りの全勢力を投じて打ち勝つというものです。手薄になった今川軍の本体はその時点で300にまで減少し、そこに攻め込んだ織田軍は2000の兵力を投じたことで、最終的に数的有利を作った、というわけです。
「3:1の法則」というの法則も紹介されました。そこでは、競争において相手の3倍の資源を投入すれば勝てる!というものでした。これはビジネスやスポーツの世界にも応用できそうですね。
⑤奇襲攻撃
アサヒ飲料の「モーニングショット」という商品がありますが、この商品の謳い文句は「朝専用コーヒー」というものです。
アサヒは、コーヒーの販売戦略について競合他社との差別化を図る際に、
そもそもコーヒーは、午前中によく飲まれる・30代くらいの会社員の男性によく飲まれるというポイントに着目し、そこにターゲットを絞って奇襲攻撃を仕掛けたそうです。
現在ではヒット商品としてすっかり定着していますね。
以上が、弱者の5大戦法になります。
しかし、この5大戦法を仕掛けるにあたって、注意すべきポイントがいくつかあるそうですので、紹介します。
<注意すべき5原則>
①簡単にミートされる差別化
例えば、弱者が強者に対して価格で差別化を図ったところで、強者はそれにミートできる体力があります。
②顧客の望まない差別化
いくら、「~します!」と差別化を図ったところで、そこにニーズがなかったら本末転倒です。
ニーズをしっかり捉えたうえで一点突破!
③差別化は一つではない
一つの要素にとらわれず、AとBの掛け合わせでいくつもの相乗効果が見込めるということです。
④他業種の常識にヒントがある
カーコンビニ倶楽部の例が紹介されました。カーコンビニ倶楽部は、自動車修理工場の現場にそれまで定着していなかった「接客」の要素を持ち込み、メニュー表のようなものをとりいれたそうです。しかしこれは飲食店のような接客業では当たり前のこと。他業種の常識に着目すれば、そこにヒントが隠されていることが多いと言います。
⑤小手先のテクニックよりも理念が大事
小手先でなにか差別化をはかったところで、そこに理念との一致がなければ意味をなさないということです。「~~したい」という理念に沿ったうえで、その手段としてあらゆる方向から考え、差別化をはかるべきだと言います。
続いて、実践。
<実践>
◇立ち上げの5W1H
中田さんの場合
・Why(理念)=「学ぶって楽しい」
日本には、
1) 教科書をはみ出せない学校の先生
2) 点を取って受験に合格させる塾の先生
の2種類しかいない。そこで、中田さんが学ぶことの楽しさを紹介する。
・Where(領域・地域)=Youtube 、教育系
・What(商品)=中田の”喋り”
芸人だからこそ培われた喋りの体力を存分に発揮
・Who(顧客・スタッフ)=学びたい大人
・When(先発・後発、成長過程)=グーパーチョキ理論参照
・How(戦略)=ミートしていくのか、差別化していくのか
◇グーパーチョキ理論
戦略の流れは、この「グーパーチョキ理論」に沿って行うといいと言います。
まず、立ち上げたビジネスは、ある境界点(ブレイクポイント)に向かうまで準備段階があります。そこまでは「グー」で一点突破していきます。
一点突破でブレイクポイントに達すると、そこからは一気に「パー」で速攻拡大!そのタイミングで物量を一気に投下します!3倍投下します!
そして、その「パー」のフェーズでもう一つ重要なのが、「足下攻撃」です。自分がうまくいき始めたら、後発が登場します。ここで、後発に対してすかさず「ミート」する。自分のことを追いかけてくるものを速攻でパクります。パクりまくります。
ただ、ここで間違えてはいけないのが、「強者へのミート攻撃は絶対にしない」ことです。かつて日産が伸びてきたときに、王者トヨタにあと一歩のところで、日産が打ってしまった戦略が、「トヨタのしていることを全部やる」ということだったそうです。つまり、「強者にミート」してしまったんですね。案の定、日産はそこから落ち込んでしまったそうです・・・。ひとつ踏み間違えただけで転落してしまうとは、やはり厳しい世界ですね。
「パー」で、無事シェアを勝ち取れたら、あとは「チョキ」。
このフェーズでは、事業の整理と確保に充て、コストを最適化していくことになります。そして、労力を抑えて、他の事業にまた注力する、といった流れになります。
大事なのは、
勝てる奴に勝つ!(弱者には即ミート!)
勝てそうにないやつは避ける!(決して強者にはミートしない!)
ビジネスという厳しい世界でライバルに勝つためには、徹底するところは徹底しないといけないですね。
今回の学びを自分の世界に存分に活かせるように、さらに深く勉強します。
以上で、本日のアウトプットを終了します。