シンプルな図案なのに、なぜか目を引く刺しゅうってありませんか?
同じモチーフでも、ステッチの種類を変えるだけで雰囲気がぐっと変わる。
その小さな違いに気づいたとき、「こんなに変わるの?」と少し驚いてしまいました。
今回ご紹介するのは、『ステッチイデー』でも作品が掲載されている刺繍作家・加藤佐保子さんの世界。
気取らないのに、ちゃんと可愛い。
そんなちょうどいい刺しゅうに出会うと、手元の布にそっと針を通したくなる。
何気ない一針が、暮らしを変えるなんて思ってもみなかった。
刺繍でワンポイント|ステッチで変わる印象の違い
シンプルなワンポイント刺しゅうは、図案そのものよりも「どう刺すか」で印象が決まると言ってもいいかもしれません。
たとえば同じ花のモチーフでも、アウトラインステッチで縁取ればすっきりとした印象に、サテンステッチで埋めればふっくらと立体感のある仕上がりになります。
ほんの少しの選択で、作品の雰囲気はがらりと変わるのです。
加藤佐保子さん(nål og tråd)の作品にも、その魅力がよく表れています。
派手な装飾ではなく、あくまで控えめ。
それでもなぜか印象に残るのは、ステッチの重ね方や余白の使い方がとても丁寧だから。
見た瞬間に「やさしい」と感じるのは、こうした細部の積み重ねによるものなのだと思います。
刺しゅうは難しそうに見えて、実はシンプルなステッチの組み合わせだけでも十分楽しめる。
だからこそ、初心者でも自分らしい表現に近づきやすいのが魅力。
ワンポイントでも、自分の手で加えた刺しゅうには、不思議と愛着がわいてくるものです。
ステッチイデー48号掲載|作家 加藤佐保子(nål og tråd・針と糸)さん
『ステッチイデー』に掲載されている加藤佐保子さんの作品は、北欧の空気を感じさせる素朴さが魅力です。
デンマークの手芸学校で学んだ経験をベースに、ヘデボ刺繍などの伝統技法を取り入れながらも、日常に馴染む小さな作品へと落とし込んでいるのが特徴です。
活動名の「nål og tråd(針と糸)」という言葉どおり、作品からは手仕事そのものを楽しんでいる空気が伝わってきます。
華やかすぎず、でも地味すぎない。
その絶妙なバランスが、多くの人に支持されている理由なのかもしれません。
また、ヴォーグ学園での講座や刺繍キットの販売が続いていることからも、一定のファンがいることがうかがえます。
実際に手に取ってみたくなるような安心感があり、「これなら私にもできそう」と思わせてくれるのも大きな魅力。
刺しゅうの世界にそっと背中を押してくれる、そんな存在の作家さんです。
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ステッチイデー リクエスト決定版
浅賀菜緒子/アトリエFil/石井寛子/川畑杏奈(annas)/隈倉麻貴子/こむらたのりこ/笹尾多恵/シマヅカオリ/すぎはらはるみ/せばたやすこ/立川一美/toccotocco/中島一恵/西須久子/nal og trad(針と糸)/早川靖子/堀内さゆり/momo/森れいこ/マルチナ・チャッコ/umico/Rairai(蓬萊和歌子)/渡部友子
ワンポイント刺繍で「好き」が増えていく
たったひとつのワンポイント刺しゅうでも、そこに込めた時間や工夫はちゃんと形になります。
ステッチを変えるだけで表情が変わる楽しさに気づくと、同じ図案でも何度も試したくなるはず。
加藤佐保子さんの作品は、その「ちょっとやってみたい」を自然に引き出してくれる存在。
難しいことをしなくてもいい、上手じゃなくてもいい。
ただ針と糸を持つだけで、こんなにも気持ちが満たされるなんて
——そう感じたとき、刺しゅうはきっと特別な趣味に変わっていきます。
株式会社フジックスのページでは、加藤佐保子さんデザインのフラワーリースのがま口ポーチ(『ステッチイデー vol.22』掲載作品)の図案や作り方も公開されています。
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