2025.5.15 中咽頭がんの手術のため入院した。

     

     癌の切除、再建手術を行い飲み込むこと、

     嚙むこと、声を出すことのリハビリが必要で、

     入院期間は早くて1か月半、2か月間ほどで

     退院できるであろうとのことだった。

 

     癌が見つかりこの手術を受ける決断にいたる

     までのことは後日書くこととして、

     今日はこの日のことを書き綴ろうと思う。

 

     この入院のために病院からの持ち物の説明を

     受け、必要なものを揃え、病院に向かう朝、

     私が運転する車の中の一時間ほどはとても

     静かだった。

 

     病院に到着して入院についての説明を受け

     病棟の病室に案内されたのは、10時30分ごろ

     だろうか。

     たくさんの担当者が来て挨拶や、説明をして

     いった。

     たくさんサインするものがあったり、他の病院で

     もらっている薬をあずけたりしていた。

 

     そんな中、心臓エコーの検査に呼ばれた。

     私は病室にいて荷物の整理をしていた。

 

     検査が終わり病室に戻った彼は、

     仕方ないという表情でパジャマに着替えた。

     昼食が運ばれてきて、彼はすっかり入院患者に

     なった。

     そうして過ごしていると、主治医から話があると

     いう。

     

     あわただしく呼ばれた部屋に入ると、主治医が

     頭を下げた。

   

     「申し訳ない。手術はできない。」

     心臓の状態がとても悪いそうだ。

     「この手術は生きるための手術なので

     今の状態では手術はできない。大変申し訳ないが

     このまま何もしないのに入院しているわけにも

     いかないので今日はお帰りいただいて

     19日に外来に診察に来てください。

     それまでに治療法を考えておきます。」

     とのことだった。

     

     私たちはこの主治医を誠実な人だと感じた。

 

     この日に至るまでたくさん涙を流し、怯えたり、

     希望を持ったり、心があちこちバラバラだった。

     それでも喜ばしいことなのか、

     それとも全く希望が立たれてしまったのか、

     複雑な思いのまま病院を後にした。

    

     彼は手術をしたら病院から帰れなくなると

     思っていたらしいのでホッとした気持ちだったの

     かもしれない。