こんにちは、がんチャレンジャーの花木裕介です。
今日は一冊、本をご紹介します。
昨年のご挨拶(※)以来、親交を深めさせていただいている、国立がん研究センター中央病院の精神腫瘍科長・清水研先生の新著を拝読しました。
※【参考】精神腫瘍科・清水研先生を訪ねて。
タイトル名は、『もしも一年後、この世にいないとしたら。』
私もがん宣告前後は、「もしかしたら一年後には自分は生きていないのかもな…」なんてことを考えていたので、とても興味深く読みました。
がんのような大病は、体の健康だけでなく、心の健康も大きく害してしまうリスクがありますが、清水先生の本には、そんな罹患者が新たな希望や光(気づき)を得るヒントが散りばめられています。
そして、罹患者のみならず、今を生きるすべての人が今を精一杯生きるための示唆も……。
私が特に惹かれた部分をご紹介しますね。
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■精神腫瘍医は「がん」という病気が人にどのようなことをもたらすのかをきちんと理解しており、その経験をもとにがん患者およびそのご家族にきめ細かなケアを行います。
■人が悩みと向き合う力(レジリエンス)を育むために、私は何をしたらもっとも効果的なのか。それは先ほど述べたとおり、その人が自分の悩みをより深く理解するために対話をすることと、大切なものを失ったことに対してきちんと悲しむための場を提供することです。
■ですので、病気になって今まさに悩んでおられる方々には、「悲しみを経て成長しなければならない」とは決して思わないようにしていただきたいと思います。無理に前向きになろうとすることは、傷ついている自分をさらに鞭打つようなもので、決してご本人のためにならないと思います。
■1つ目の課題と2つ目の課題は同時に進行しますが、徐々に悲しみや怒りが弱まっていき、新しい人生を考えるという方向にシフトしていかれます。切り替わるのではなく、少しずつ、グラデーションのように移っていく感じです。
■他人からの親切をたくさんうけ、「人間ってあたたかいんだな、と思うようになった」というお話はカウンセリングの現場ではよく伺います。
そして、他人にたくさん親切にしてもらったり、勇気づけられたり、支えてもらったりした経験が、自分も誰かの役に立ちたい、という気持ちにつながっていくようです。
■今は健康だけど、その状況はいつか様変わりしてしまうだろう。少なくとも「今与えられている健康は永遠に続くものではない」と思うと、それまでの前提であった「明日も明後日も来月も1年後も当たり前のように人生は続く」という考えは崩れ、今日一日を過ごせることがありがたいことに思えてきたわけです。
■そんなころ、テレビ番組を見ていた時に「人生は一回限りの旅である」というフレーズがぐっと私の中に入って来ました。何気ない言葉のようですが、思いつめていた私には、目から鱗が落ちるような感覚でした。
■一年後自分が病床に伏していると仮定したら、一年後の自分が今の自分を振り返る際に、今の生き方を後悔しませんか?
【出典:『もしも一年後、この世にいないとしたら。』(清水研著・文響社)】
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がん罹患によって、私の人生も少し人とは違ったものになってしまいましたが、「旅にトラブルはつきもの。せっかくならトラブルも含めて、人生を味わおう」とこの本は囁いてくれている気がします。
清水先生、これからも多くの罹患者との対話を通じて、光を示してください! 陰ながら、応援しています。
(了)
