城端線。11:00高岡発。

 

海沿いの氷見線から一転。

稲刈りのすんだ砺波平野を、列車はのんびりと進んでいきます。

 

山は遠く、砺波平野はけっこう広い。

ディーゼル気動車の揺れが心地よくて、ウトウトしながら…

 

やっぱり時々、ラッセル車を見ます。

 

終点に近い、東石黒駅あたり。

だんだん山が近づいてきています。

 

まだ稲刈りが済んでない田んぼも一部残っているみたいです。

 

高岡からほぼ1時間。12時すぎに、終点・城端駅に到着しました。

 

城端駅にもラッセル車がいました。

(現地では珍しくない。けど自分にはとても珍しい)

 

 

砺波平野のどん詰まり、城端。先には立山連峰が立ちふさがっています。

 

駅にあったご当地ガチャポン、なんと井波の彫刻で飾られています!

でも中身は木彫製品ではなかった様子。

 

城端駅。今に残る古いタイプの駅舎です♪

 

城端駅から、井波とかを巡りたかったので、レンタカーを予約してありました。

事業所まで、少し町を歩きます。静かな町です。

城端は、「終点だから来てみたかった」というだけで、何の知識もなかったのですが…

「越中の小京都」と言われているそうで、お寺、お祭り、絹織物産業の名残など、いろいろありそうでした。

考えてみれば、何かしら栄えた町でなかったら、わざわざ鉄道がここまで伸びて来ないよね…

また来る機会があったら、ゆっくり見て周りたい。

 

 

車を借りてから、まずは山のほうへ。庄川峡へと向かいました。

途中、「道の駅庄川」があったので、ここでお昼ご飯にします。

 

「よごし丼」というものがありました。

「よごしっちゃ何け?」という問にこたえて、

「野菜をゆでて細かく切り、お味噌で味付けし、煎りつけたもので、砺波の昔から食べられている郷土料理です。白米がすすむ。最高のご飯のおとも。」

とあります。

 

本日のよごし丼。そうめんかぼちゃ。にんじん。葉だいこん。ネギ豚しょうが風味。

ビビンバが味噌味になったみたい。

美味しかったですし、お野菜がいっぱい食べられました。

 

昼食のあと、もう少し山へ向かって、庄川へ来ました。

庄川峡の上流、小牧ダム。ここから庄川峡遊覧船が出ます。

でも、遊覧船はちょうど出発した直後でした。

この川を30分くらい船で遡っていくと、船でしか行けない秘湯・大牧温泉があるそうです。

紅葉シーズンはきれいでしょうね。

 

向こう岸に、吊り橋が見えたので、行ってみました。

人の気配がない…。

 

吊り橋から、さっき走ってきた道路を見たところです。

 

このまま庄川をさかのぼっていくと、合掌造りの里・五箇山(相倉&菅沼)があります。

今回は、これ以上上流には行かず、庄川峡で折り返しました。

 

山から出てきて、砺波平野に戻ると、木彫の里・井波。

車を置いて、町を歩きました。彫刻刀のお店の看板が見えます。

 

ガラス戸の向こうに作りかけの作品が見えたりします。

お神輿かなんかかな~竜がカッコいい。

 

八日町通に来ました。

 

この先にある、瑞泉寺建立の縁起が木彫で描かれています。

<本願寺五代 綽如上人 乗馬の蹄跡から泉がわき 瑞泉寺建立を発願>

 

この八日町通りは、瑞泉寺の参道。いい雰囲気の町並みです。

 

 

街路灯の柱には、七福神の彫刻があったり。

 

ところどころで、木彫のお仕事の様子もうかがえます。

 

七福神だけじゃなくて、これは吉祥天。

 

持国天。

 

一般のお店も、こんな看板。おしゃれです。

 

食料品店。

 

あっちこっち見て歩いて、つきあたりの瑞泉寺に到着。何故か石垣がある。

浄土真宗のお寺です。

 

山門。江戸時代(1785年)

 

なんかもう、彫刻で埋め尽くされています。

 

彫れる箇所は全部彫ったぞ!ってかんじ。

 

中に入ると、明治時代の本堂(右)と、大正時代の太子堂(左)。

 

とにかく、あらゆるところに彫ってある!

 

装飾過剰な蟇股。

 

井波にある以上、木があったら彫らずにいられない!

 

境内の井戸。

もともと、この地に泉が湧き出したところから「井波」という名がつき、お寺が「瑞泉寺」となったそうです。この井戸は、この地のおおもとかもしれません。

龍の彫刻があります。

明治12年、本堂から出火した時に、この井戸から龍が現れて水を吹いて山門に燃え広がるのを守った…という言い伝え。

昔々…ではなくって、明治の話です。

(令和の今はもう、明治って伝説や神話の時代?)

 

山門の横には、別に勅使門がありました。小ぶりですが唐破風、装飾性が高い。

 

勅使門の柱には、「獅子の子落とし」の説話が彫ってありました。

井波彫刻の祖、田村七左衛門の作なんだそうです。

 

 

瑞泉寺から、道の駅「いなみ木彫りの里」へ移動。

本当はぶらぶら歩いて行ける距離なのですが、雨がザ~っと来たため、車で行きました。

 

道の駅の隣に建つ、井波彫刻総合会館。

 

大きな木彫りのお雛様も。

 

建物の壁面にも、たくさんの木彫。

彫刻総合会館の中には入らず、井波彫刻の鑑賞は、道の駅で売られている作品で済ませてしまいました…

が、それだって結構なお値段がついている大作も多く、面白かったです。

(ちょっとだけリーズナブルな買い物もした)

 

 

このあと、もう少し時間あるかな…ということで、山の高台にあるらしい「散居村展望台」という所を目指しました。

大海に小島が浮かぶように、砺波平野に散居村がポツンポツンと散らばっている写真を、どこかで見て、「こんな風景を見てみたいなあ…」と思っていたのです。

 

ところが(案の定というべきか)、進むにつれて道は狭く、坂は急に、カーブはきつくなり、なかなか進みません。

もう時間がない…ということになり、残念ながら、途中でUターン。

車を返して、城端駅まで戻り、夕方5時、帰りの城端線に乗りました。

 

気を付けて見れば、田んぼの中にポツンポツンと家があり、その周りを囲む木々があり。

 

散居村展望台には行けなかったけれど。

散居村のある風景は、ちゃんと見えていました。

 

1時間弱で、高岡に戻ってきました。

6時、すっかり暗くなりました。

高岡からは、あいの風とやま鉄道に乗り換え。黒部まで行きます。

 

富山駅~黒部間は、「あいの風とやま鉄道」「富山地方鉄道本線」、2本の路線が通っています。

滑川あたりからは、ほぼ並走。

 

魚津駅。

ホームの向こうに見えるのは、地鉄のほうの「新魚津駅」。

あいの風とやま鉄道は、旧JR北陸本線。

富山地方鉄道はそれよりずっと駅の数が多いです。富山県内、私鉄や路面電車が活躍しているな~と思います。

 

 

高岡から約1時間、黒部駅に到着しました。

雨です。明日は黒部峡谷に行くのですが、やはりお天気はよろしくない予報。