今朝は、ホテル最寄りの錦駅から、京阪電車。三井寺へ行きます。

 

京阪電車、浜大津~三井寺間は、しばらく路面電車になっていました。

 

三井寺駅で降りました。昨日乗ったのと色が違う車両でした。

 

三井寺駅。今日は雨です。

 

三井寺の方へと歩き始めると、道に沿ってあった水路はなんと、琵琶湖疎水でした。

振り向けば、琵琶湖からの取り入れ口がすぐ見えていました。

このあたりから船に乗って琵琶湖疎水を進み、トンネルを抜けて京都側まで行くというツアーの広告を見たことがあります。

「琵琶湖疎水ってどこにあるんだろ?」と思ってましたが、わかりました!

 

琵琶湖疎水に沿って、山の方へと歩いていきます。

この道、右手は京都へ向かう琵琶湖疎水。左手には琵琶湖に注ぐ、通常の水路。

右と左とで、水の流れが逆になっているという珍しい道です。

 

琵琶湖疎水は、道よりどんどん低くなり、やがて山の中のトンネルへと入っていきました。

 

疎水がくぐっていく山、京都と滋賀との境にある山。

そのふもとに、三井寺はありました。

 

案内看板にそって入っていったら、正面・仁王門からではなくて、総門(裏口っぽい)から入ることになりました。

入ると、まずはどんどん階段を登っていき、高台に出ます。

雨降りで見通しは悪いのですが、琵琶湖が見えています。

 

東に向いて建つ、観月舞台もあります。(上がれないのが残念)

 

この琵琶湖を見下ろす高台に、観音堂。

西国三十三観音霊場の一つとなっています。

大きな建物で、たくさんの人が集まっても大丈夫なかんじ。

 

観月舞台から少し降りたところに、毘沙門堂。重文。

境内の建物の中では珍しく極彩色。

 

三井寺、なかなか広かったです。

ライバルの比叡山ほどではないけれど、自然の地形の山の中、あちらこちらに堂宇が建っている雰囲気は、比叡山と似た感じです。

 

 

唐院エリア。

左手は檜皮葺きの灌頂堂。

灌頂堂の奥には、開祖智証大師・円珍の廟である大師堂があります。

(行ってないことに今気づいた!入れなかったのかな?)

 

灌頂堂の奥、室町時代の三重塔。とても大きくて立派でした。重文。

三井寺は、おおまかに分けてみると、金堂エリア、唐院エリア、そして観音堂エリア。

唐院は、いちばん大切な建物である大師堂があって「奥之院」という感じです。

 

路の向こうに、金堂が見えました。

 

金堂エリアから歩いてきて、唐院エリアへと入る所に建つ四脚門。

このあたりの写真から、雨がたくさん映ってきています…

 

一切経蔵。

 

中の、一切経を納めたお堂は回るようになっています。輪蔵とかマニ車とか言うんだよね。

 

その近くには「弁慶鐘」を納めた建物。

 

これが弁慶鐘。

三井寺と延暦寺が争った時に、比叡山の上から弁慶が落として引きずられたということで、確かに傷だらけの鐘です。

 

このようなことだそうで…

 

弁慶鐘の横にはもうひとつ、「弁慶の汁鍋」。

中世に実際に使われていた大鍋のようです。

 

 

いよいよ、金堂エリア。

金堂のすぐ脇にあるのは、三井寺の名前の由来でもある、閼伽井屋。

 

中をのぞくときれいな水が湛えられていて、さかんにポコポコと、水の湧きだす音がしました。 

天智・天武・持統天皇が産湯に使ったと言われていて、だから「三井寺」。

紀伊の三井寺は「井戸が三つあるから」だったので、同じ三井寺でも由来はちょっと違います。

 

また、閼伽井屋の扉の上には、左甚五郎の彫刻がありました。

 

龍が夜な夜な抜け出してしまって困るので、目に釘を打ったそうです。

 

で、いよいよ金堂。国宝。

中には、ずいぶんとたくさん仏像が立ち並んでいました。

ご本尊は秘仏で見えず。

その周囲三辺にぐるりと、いろんな時代のいろいろな仏像がいっぱい並んでて、なんだか珍しい…雑然とした印象の内部でした。

 

鐘楼。近江八景「三井の晩鐘」で知られる鐘が収められています。

 

日本三名鐘の一つ。そんなに大きくはありませんでした。

銘の神護寺、姿の平等院、そして声の三井寺。

お金を奉納すればを払えば撞いて音を聞くことはできたのですが、見ただけです。

(これで平等院と三井寺の鐘は見たので、あとは神護寺。でも鐘の良し悪しとか様式の違いってよくわかりません)

 

金堂から、降りていきます。

本来の参拝ルートとしては、仁王門から入って、こうして金堂の屋根を見ながら、この階段を登っていくことになります。

 

仁王門のわきに、釈迦堂がありました。

 

清涼寺式の釈迦如来像が安置してあります。

 

入口、仁王門。白っぽいのが珍しい。

 

雨の強い中、三井寺を一通り巡りました。

三井寺の公式サイトを見ると、晴天のもと、鮮やかな山や琵琶湖とお寺が映っていて、晴れた日に来たらまたずいぶん印象が違うだろうな~と思います。

でもいろいろと見どころがあって、興味深いお寺でした。

 

今回、三井寺&石山寺に行くことができましたが、どちらも京都が近いだけに、近くまで来ていてもかえって訪問する機会がなかった近江のお寺。

行けてよかったです。

 

 

三井寺から、三井寺駅まで戻る途中の飛び出し坊や(じゃなくって女の子)。

一昨日、車で湖東三山に行った時にも思ったのですが、滋賀県内「飛び出し坊や」がやたら多い気がする。

 

 

三井寺駅から再び京阪電車に乗り、膳所でJRに乗り換え。彦根に出ました。

雨が強いため、彦根駅からはタクシーに乗って、彦根城に到着。

 

あら、ここにも「飛び出し坊や」。車は来ない場所だけど。

ひこにゃんに会えるかな~とか、この時はのんびりと思っていましたが(それどころじゃなかった)。

 

石段を登って天守へと向かいます。

 

石垣からは滝のように水が流れ落ちてました。

この上が天秤櫓。見えているのは櫓にかかる廊下橋の橋脚です。

 

左右対称の天秤櫓。

 

さらに登ります。

 

天守閣の下に出ました。3層で、それほど大きな城ではありません。

 

石垣も古そうで素敵です。

 

雨の中にも、唐破風の金の飾り模様が輝いていました。

 

中に入ります。

黒光りのする頑丈な門の向こうに、

急な階段。

 

うねるような、ごっつい梁。

 

狭間。

 

最上階の破風の裏側も狭間になっていました。

彦根城は、やたらと破風の多い構造。ひとまわり大きな大津城から移築したため、大きさの割に破風が多いのでは?とか言われているようです。

 

最上階から。

この向こうに琵琶湖がひろがっているのですが、この雨です。

 

瓦も装飾が細かいです。

大雨の中ですが、雨漏りぜんぜんしていなかったです!

 

外に出ました。

天守の横にある、付櫓。(中からは、耐震強度が不足ということで入れなかった)

 

琵琶湖側にひゅーっと伸びた、西の丸。

その先っぽにある、三重の櫓+続櫓にも行ってみました。

 

ここも、天守と同じく昔からものです。重文。

 

三重櫓の三層目からは、琵琶湖やお堀がよく見えました。

 

続櫓の屋根を見下ろします。

 

お堀近くの木立にサギがいっぱいとまっていました。

鷺って繁殖期には、外敵に対抗するため、こうやって集まって子育てするそうです。

「鷺山」という地名ってここから付くのかな~、なんて思います。

 

お城の高台から降りていく。雨で滑らないように気をつけて…

周囲は深い森になっていました。

 

このあと、隣接の玄宮園にも行ってみる予定だったのですが、

雨がさらにすごい降りになり、とても観光どころじゃない。

玄宮園はあきらめてタクシーで帰ろう →→ どのタクシー会社も出払っていました。

 

仕方なく、タクシーに乗った行きよりも、より激しい豪雨のなか、歩いて彦根駅へ帰ります。

荷物も靴も服も、彦根城のお堀に落ちたみたいになりました。

ゲリラ豪雨の中を歩く、初めての体験でした…

 

彦根駅に着いてみれば、電車も止まっています。

でも駅でタクシーを見つけることができて、米原まで移動。なんとか新幹線で帰ることができました。