大島で迎える朝。

コーヒーを淹れて、夕べ買ったパンやサラダで朝食にしました。

別荘のそばにある火山博物館。残念ながら月曜閉館。

 

今日は、元町から30分ほど車で山を登り、三原山にやってきました。

山頂の近くに、駐車場があり、数件のお店もあります。

山頂駐車場からの眺め。大島空港が見えています。

 

駐車場から眺める三原山。雄大です!

今からこの道、「山頂遊歩道」を歩いて、三原山のてっぺん(火口)まで、行きます。

 

まずは、駐車場から、いったん下ります。

外輪山の上から、カルデラの中に降りていくことになります。

 

カルデラ内に入ると、あたり一帯、高い木は全く見当たりません。

最も最近の噴火でもこのあたりは55年前ということなのですが、そんなに年月が経っても低木と草地にしかならないんだ…と思いました。

 

朝8時半ということもあり、ほとんど誰にも会いません。

このあたりは、舗装された歩きやすい道でした。

 

ところどころにシェルター。

 

歩いていくと、時々「ドーン……」と、低く鈍い音が聞こえてくるようになりました。

遠くで大砲でも打っているような音。

最初は「なんだろ?」と思っていたのですが、三原山のどこからか聞こえてくる、火山の音なんだと、だんだんわかってきました。

 

1986年の大島噴火で、全島避難。

そんなことがあったなあと思い出します。

 

ここが、1986年に流れてきたの溶岩流の、先端部。


振り返ってみた光景。

カルデラ内の平地の向こうに、外輪山の山並み。

見える建物は、先ほど車をとめた駐車場にある展望台です。

 

 

平坦なカルデラ内を歩いてきましたが、ここからは、内輪山を登ります。

一気に急坂のつづら折り。

登りきって、内輪山の上に出ます!

 

鳥居の横に大岩があり、まるで内輪山の入り口の門のよう。

 

この岩は、噴火の際にできた「アグルチネート」というものだそうです。

 

大岩の鳥居の先にあるのが、大島神社。

 

見えているのは、内輪山を一周する「お鉢巡り」の道です。

画面左下へ分岐しているのは、火孔の西展望所への道。

まずは、この西展望所へと行ってみます。

 

「お鉢」の中へちょっとだけ入っていく道です。

巨大な中央火孔を、西側から見ることになります。

 

噴煙も見えます。

 

火口を見てから引き返して、あらためて、お鉢巡りに出発します。

今まではずっと、舗装された歩きやすい道でしたが、お鉢巡りに入ると、下は砂利や砂になりました。

砂利や砂の粗さ、混ざり具合も、場所によってさまざま。

爆発や風の条件により、火口周辺の状況も様々なのだと思います。

 

噴火口の上を時計回りに一周するので、常に右手に噴火口。

噴火口側のあちこちから、さかんに噴煙が上がっています。

ただし、水蒸気であって、有毒ガスではないそうです。煙じゃなくて湯気。

水蒸気なので、気温の低い季節のほうが、たくさん噴出が見えるとのこと。

 

歩くうち、噴火口の外側、麓側なので低いはずなのに、小高い丘が現れました。

(これは振り返って撮った写真。写真右側が丘。)

 

この丘の正体は、1986年の噴火口でした。最も新しい噴火口ですね。

 

噴火口側からは、相変わらず、あちこちから、もうもうと噴煙。

溶岩が流れ、筋状になった岩が、くだけた様子が見られます。

 

お鉢巡りのコースもこのあたりでは、「ドーン…」というにぶい爆発音(?)がかなり頻繁になりました。

火山警戒情報は「1」だと思っても、なんだかちょっと、不安になります。

さえぎるものは何一つない、火口の上を歩いているのですから…

 

火口の南西側に廻ると、火口の反対側に「裏砂漠」が見えてきました。

ほとんど植物がありません。

火口からの風や、火山ガスの影響を受けやすいため、植物が育たないということです。

 

そして、中央火孔がとてもよく見える、いちばん高い場所に来ました。

 

巨大な噴火孔。先ほど、西側から見たのよりも、よく全体が見えます。

1986年の噴火の際に、溶岩でこの穴が全部埋まり、1年後の再噴火で再び陥没して、こうなった……人の感覚では、とてもとても捉えきれないスケールでした!

 

火口には、柱状節理が見えます。

 

中央火孔展望所を過ぎると、南側の展望が開けます。利島。

 

大島の南西側の平地が見えてきました。

(今まで歩いてきた東側は、海岸は崖なので、岸辺の風景は見えませんでした)

 

「ホルニト」というものがありました。

説明を読んでも、よく理解できなかったのですが…

 

この溶岩の塊が、ホルニト。穴が開いています。

この小さな穴、ものすご~く深いのです。

 

スマホ落としたらお終いだ…と思いながら撮影。

 

こっちにも、別のホルニト。

 

やっぱり、穴が開いています。

いつか勉強して、「ホルニト」の成り立ちが理解できるようになるといいのですが。

 

 

お鉢巡りを終えて、大島神社まで戻ってきました。

このあたりの溶岩でゴジラに似ているという「ゴジラ岩」もありました(写真は撮ってない)。

 

三原山のてっぺんにいる間はよく晴れて、風もなく暖かく、いい条件でした。

晴れても風が強いと歩くのには不向きだそうです。確かに、360度海に囲まれ、さえぎるものが全くないのですから…。

 

 

ちょっと曇ってきましたが、内輪山を降りて、またカルデラの中を歩いて、外輪山を登って、駐車場に戻ります。

 

内輪山を振り返ります。1986年の溶岩が流れた所が、黒っぽい痕跡となってわかりました。

 

駐車場のそばには、馬がいるらしい囲いがありましたが、この日は姿が見えず。

休憩所に、立体模型があり、今歩いた道の復習になりました。

 

ここにも、折り紙の椿。記念に一ついただいてきました。

車に戻って三原山を降りていく途中、道路わきに牧場があって、馬が何頭もいるのに気がつきました。

お客さんが多い日には、山頂駐車場まで出かけていって、人を乗せているのでしょう。昔はラクダがいたそうです。

 

 

レンタカーを返すと、ちょうど帰りの高速船の時間になりました。

船の発着は、今日も岡田港です。

船が到着するまでは、とても静か。

 

帰りに乗ったのは、2艘並んだ後ろの「友」号。熱海行。

前の船は、昨日乗ってきた「大漁」号。

 

13:20出航。さよなら~

あんこ姿のお姉さんも手を振ってくれました。

 

港で買い込んだ、島のおにぎりとお菓子で、昼食。

 

天城の山が見えてきました。

 

大室山です。

 

熱海に近づくと、右手に初島。

 

わずか45分で熱海港に到着。

大島ー熱海、近くてビックリします。

 

熱海の海岸には、もうきれいに桜が咲いていました。

花びらの色の濃い河津桜、薄めの大島桜など、何種類かありました。

 

熱海駅までブラブラと歩いて、新幹線で帰りました。

大島、こんなに気軽に行けるのなら、またいつか、ぶらっと、行けそうです。

他の伊豆諸島にも行けるといいなあ。