鉛筆鉛筆鉛筆    こんにちは、花です   鉛筆鉛筆チョキ

 

 

 

 

道尾秀介著 「いけない」

 

 

先月、読み終えたのですが

気持ちがモヤっとして

感想を書く気分になれずにいました。

 

 

 

二回読まないと伏線回収できない本・・・。

 

 

 

 

 

 

 

以下、ネタバレ含みます。左差し秘密

 

 

 

最終章で、刑事と犯人が対峙するのですが

違和感アリアリで自然に犯人が判明します。

そして、胸アツな感動的なシーンも。

 

 

 

 

【第一章】 弓投げの崖を見てはいけない

 

主人公・安見邦夫(保育士)

結婚記念日のお祝いをしようと自宅に戻る途中トンネルの中で事故にあいます。

若者三人は、救助をせず全く逆の「殺し」を画策してしまうのです。

単独事故で死んだことにしようと。

 

助手席には、4才になったばかりの子供が乗っていました。

若者たちは子供の存在には気が付かなかったのでしょう。

邦夫は助かったものの両目の光を失ってしまうのでした。

 

ナオヤ、ヒロ、マサヤ加害者の若者三人。

 

復讐をしようと邦夫が殺したのは誰か?

交通事故で死んだのは誰か?という点が謎になっています。

 

 

 

 

【第二章】その話を聞かせてはいけない

 

この章がとんでもなく気持ち悪く、二度読みさせられる羽目になるのです。

 

主人公・ 馬 拘(まー・かー)中国生まれの小学生

 

小さな頃から日本で暮らしているけれど日本語が流暢ではないので

いじめやからかいの対象となっている。

名前をもじって「バカ」と呼ばれることをとても嫌がっている。

両親は中国料理店を営んでおり、自宅にはいないことが多い。

 

文房具店で鉛筆を万引きしようと向かうと殺人現場に遭遇してしまうのです。

いつも店にいるおばあさんが殺された?

 

両親にも話せずにいた拘は、唯一話ができる友人に思い切って告白したものの

「嘘」と言われ信じてもらえません。

 

恐る恐る文房具店に行ってみるとお店にはおばあさんがいました。

あれは本当に気のせいだったのか?

拘は、おばあさんにポツリポツリと尋ねます。

 

おばあさんは「具合が悪くて甥っ子に病院に連れて行ってもらった」と話し

「そんなことを周りに言うな」と口止めもします。

そして、拘の家のことを聞き始めるのでした・・・。

 

テレビから流れてくるニュースの中には

文房具店の主人が殺されたと。

 

拘は、録画したニュースを見返します。

最後の一ページは、ニュースのインタビューをうけるおばあさんと甥っ子の姿でした。

後ろに停まったままの車の影には子供が隠れようとする姿が映されています。

 

 

 

【第三章】 絵の謎に気付いてはいけない

 

この小説に必ず関わってくる宗教団体で殺人事件がおきました。

十王環命会の宮下が自殺しました。

しかし、その胸元には桜の花が落ちていました。

第一発見者は、十王環命会の支部長守屋。

出勤しない宮下を心配して守屋が不動産会社と共にドアを開けると

そのドアノブに延長コードが巻かれ死んでいる宮下を発見します。

 

不動産会社の社長、宗教団体、刑事、若手刑事

 

この章も比較的わかりやすいです。

祝詞をスラスラ言えちゃうっておかしくない?

第一章での交通事故ってもみ消したの?

 

 

そして、若手刑事が死にます。

手帳に書かれた絵の謎に気付いてしまったから。

 

あの挿絵では、本当に分かりませんでしたが

スマートロックを塗りつぶした結果という意味だったらすんなり理解できます。

刑事さん、大事なペンで証拠品に書き足したのね。

 

この章は、ミステリー小説っぽくて楽しめました。

 

【最終章】 町の平和を信じてはいけない

 

公園に向かう邦夫。

向かう途中で少年二人が介助を申し出てくれたので

必要もないけれどお願いする邦夫。

 

その二人とは、第二章で登場する馬拘であり拘を助けてくれた思い出の先生は邦夫だったという何とも感動的な再会でした。

 

邦夫は自分が犯してしまった殺人について告白しようと竹梨刑事を呼び出していました。

妻の弓子に書かせた厚みのある告白文です。

 

竹梨刑事もまた、妻に先立たれた時自分を罵る遺書が見つかりショックを受けました。

自分を認めて欲しかった、頑張っていると褒めてほしかった竹梨。

十王環命会に救いを求めていたのです。

 

若手刑事の転落死。

宮下の自殺。

交通事故。

妻の自殺。

 

竹梨は、罪を告白しようと手紙にしいつも持ち歩いていました。

もう、刑事ではいられない覚悟で。

 

邦夫と竹梨の封筒は取り違えられたようです。

 

邦夫は、もう少し妻の弓子と共に生きたいと思い渡した手紙をカバンの中から取り出しました。

そして、手紙を帰り路に細かくちぎって捨ててしまいます。(竹梨の犯行が書かれたもの)

 

 

竹梨が、邦夫からの手紙を読もうと封筒から取り出すと白紙の便せんが出てきます。

弓子は書いたものを入れず、白紙の便せんを忍ばせたのでしょう。

 

 

これで、いいのか?ハッピーエンドでいいの?と疑問に感じているところに

この本のタイトル「いけない」

 

 

このまま、罪を償わないのはいけない。

しかし、少しくらい幸せな時間があってもいいのではないか?と思わせる小説でした。

 

 

 

考察はいろんな人のを読みましたが

名前にも意味があるのではないか?と考察している人がいたりして興味深かったですよ。

 

 

 

 

 

さすがに「いけないⅡ」は読まないです。

このモヤっと感が苦手です。

 

もう少しシンプルなミステリー小説ぷりーずお願い

 

 

 

以上、感想と愚痴でした(笑)