五街道を歩く殆どの人は、自分で計画を立て、自分で出発点まで行き、街道を歩き、そして自分で帰ってきます。


一方で、旅行社による街道歩きツアーというものがあります。私には、ツアーで街道を歩くという発想自体、全く浮かばなかったのですが、東海道を歩いていると、何度か、ツアーと思われる団体と出くわします。


旅行会社のツアーかどうかは、先頭を歩く人を見ればわかります。ツアーの名前を冠した旗を持って歩いているからです。その後を何十人もがゾロゾロ続きます。高齢者が多いですが、家族連れのお子さんなども混じっていたりします。


参加したことがないのでよくわかりませんが、だいたい一日15km前後を歩いて30回程度で歩き切る日程のようです。


私は、今のところ、この手のツアーに参加して歩く予定は全くないのですが、参加もせずにツアーのことをいろいろ語るのはいかがなものかということと、話のタネにもなるので、一度くらい実験的に参加してみてもいいかなと思わないでもありません。


現時点で考えられる範囲で、ツアーによる街道歩きのメリットとデメリットをあげてみると、次のとおりです。


<メリット>


○事前の下調べも計画も不要。指定された場所に集合時間までに行けば自動的に歩くことができる。
○先導者が付いているので、迷走の心配がない。地図がなくても間違いなく歩ける。
○主だった名所旧跡を見逃すことがない。
○要所では、専門の人から説明がある。
○食事場所等の心配がない。
○大勢といっしょなので寂しくない。


<デメリット>


○日程の自由度がないので、自分の都合で行きたい日に行くというわけにはいかない。
○事前の下調べや計画をする楽しみがない。
○行程に組み込まれていれば、あまり興味がないところも立ち寄らなければならない。逆に、興味があるところでも、そこがマイナーなところであれば団体から離れて立ち寄ることができない場合がある。
○専門家からの説明はあるが、後ろのほうの人にはよく聞こえない。(結局、図々しい人たちだけが説明者を取り囲んで、説明を聞くことになる ← ツアー全般で、ありがちなパターン)
○食事等(内容、時間)の選択肢があまりない。
○自分のペースで歩くことができない。(ツアーの場合、大抵はスローペースである)
○人が多すぎて、普段は人のいない静かな宿並や峠道の風景が、団体の人であふれる風景になる。(想像してみましょう、例えば鈴鹿峠が人で渋滞している風景を)
○団体客の中に、マナーの悪い人(うるさい、道の真ん中を歩く、撮ってはいけないところをバシャバシャ撮る、集合時間を守らない、勝手に道を外れて迷子になる等)が混じっていたらかなわん。
○金がかかる。


ざっと、こんなところでしょうか。五街道を歩くような人で、全てツアーで歩いたなんて人はいらっしゃらないと思いますが、きっかけになったり、ピンポイントでゆっくりしたいところがツアーの行程と一致していたりすれば、部分的にツアーを活用するというのも、アリだと思います。


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