れない夜にみる夢は

深沢仁 東京創元社 2023年6月






三人は同じ日の夜に出会い、恋に落ちた。俺は彼女に。彼女はあの男に。そして、あの男が恋をした相手は俺だった。なぜ俺なのか、とあの男に訊いてみた。健やかな馬鹿がタイプなのだという。それって悪口じゃないのか? それはともかく俺たちの一方通行の三角関係は、しかしそれほど時間を置くこともなく、べつのものへと姿を変えていった(「明日世界は終わらない」)。

さまざまな登場人物たちが織り成す、ひとことでは言い表せないような繊細な人間関係を描いた、この作者ならではの珠玉の五編を収録する。 

■目次 「なにも傷つけないように、おやすみ」 「明日世界は終わらない」 「不自由な大人たち」 「家族の事情」 「砂が落ちきる」 あとがき



登場人物が、 普通でない。

その人間関係がいびつで奇妙な関係。

けれど、愛すべき人達なのだ。


次は、どんな人たちの話かと、わくわくしながら読んだ。


愛することに不器用で、でも、相手を思いやる気持ちは、人一倍強い。

すぐにでもこわれてしまいそうなのに、その関係が 輝いてみえる、そんな5つのお話だった。


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