さもなくば黙れ
平山瑞穂 論創社 2022年1月
何よりもおそろしいのは、普通の人々だ! コロナ禍から10年が経過した日本の社会--。バイザーを利用した相互監視システムが構築され、どんな理由であれ、適合できない人々は「アンプラ」と呼ばれた。不適合の人々は〝静山泊〟に集まるが、地域住民による排斥運動に悩まされる。彼ら・彼女らの行く場所はあるのか? 人間の馴致しやすさと排斥への欲望を描いた書き下ろし小説。
何よりもおそろしいのは、普通の人々だ! コロナ禍から10年が経過した日本の社会--。バイザーを利用した相互監視システムが構築され、どんな理由であれ、適合できない人々は「アンプラ」と呼ばれた。不適合の人々は〝静山泊〟に集まるが、地域住民による排斥運動に悩まされる。彼ら・彼女らの行く場所はあるのか? 人間の馴致しやすさと排斥への欲望を描いた書き下
コロナ禍から10年後の世界。
バイザーを利用しての相互監視システム。
実際に声を出して発話している分には問題ないのに、バイザーで意思表示がうまくできない。
エラーがでれば、不適合者、アンプラと呼ばれる。
それおかしいよね。
私など、すぐに返答できないから、エラー多発しそう。確実にアンプラだわ。
「そうだね。」と適当に相づちをうっている人はいいわけ?
と、政府のやり方に疑問。
それはさておき、そういう社会が来たとしての話。
アンプラを危険分子とみなし排除しようとする地域住民の人たち。
同調することで、枠からはみ出さず、自分の身を守ろうとする。
そんな大衆心理、こわい。
アンプラひとりが事件をおこすとアンプラ全員を非難する風潮がある。
アンプラでなくても、問題を起こす人もいれば、起こさない人もいるのに~
アンプラであってもなくても、ひとりの人格を持った人間として扱うべきなのだ。
バイザーでの会話がうまくいかなくても、自分の考えは、ゆっくりでもいいから、示すことは大切だと思った。
お気に入り度★★★