湊かなえ 角川 2019年9月

 

 

新人脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督長谷部香から、新作の相談を受けた。『笹塚町一家殺害事件』引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた。15年前に起きた、判決も確定しているこの事件を手がけたいという。笹塚町は千尋の生まれ故郷だった。この事件を、香は何故撮りたいのか。千尋はどう向き合うのか。“真実”とは、“救い”とは、そして、“表現する”ということは。絶望の深淵を見た人々の祈りと再生の物語。



十五年前の事件をもとに映画化を考えている長谷部香は、脚本家の甲斐真尋に声をかける。真尋の故郷で起きた事件だったから、何か知っていると思ったのだろうか?

何故、今になって、この事件の映画化しようとしたのだろう。

ひとつひとつの出来事が積み重なり、
次第にわかってくる事実。
ラストに向けてのもっていきかたは、さすがだと思った。

お気に入り度★★★★