体外受精や顕微授精によって得られた受精卵は、胚移植によって子宮内にもどしていくことになりますが、なかなか着床しない方に対して子宮内膜スクラッチ法という方法を行う事があります。

 

これは、子宮の中にがん検診の際に用いるような細い器具を入れて内膜を少し傷つけるという方法です。

 

内膜に傷がつくことによって局所的な炎症反応を起こし、そこから出るサイトカインや成長因子などが受精卵の着床を助けるのではないかと考えられています。

 

 

子宮内スクラッチについては、以前の記事でもご紹介していますが、今回はその結果を検証した研究を詳しく見ていくことにしましょう。

 

まずはじめに

Effects of endometrial injury on frozen-thawed blastocyst transfer in hormone replacement cycles. 

(ホルモン補充融解胚移植における子宮内膜スクラッチ法の効果)

 

という研究からご紹介したいと思います。

 

この論文は当院の松本副院長が2017年にReproductive Medicine and Biology誌に発表した研究です。

 

本研究では、40歳未満でホルモン補充周期にて凍結融解胚移植を行った方をスクラッチを行った場合と行っていない場合を比較しています。

 

次回からはその内容について見ていきましょう。

 

関連する以前の記事もご参照ください

ハナブロテーマ 「子宮内環境」

 

(文責:医師部門 江夏 徳寿、理事長 塩谷 雅英)

 

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