市場法と言うのがあって、それが改正された。実際には段階的に変わりつつあるようだが、これが非常にあいまいでわかりにくい。ただはっきり言える事は、規制緩和が市場法にも取り入れられたことである。
これにより、花の業界も大きな変革が予想される。
今までは、生産者→市場→仲卸→花屋さん→消費者 と言う流れが一般的で、もちろん仲卸さんを利用しないお店もあるにせよ、この流れは全国共通であった。
ところが、ここ最近は 生産者→消費者 もあれば、生産者→仲卸→花屋さん とか、生産者→仲卸→消費者 なんていう場合とか、言ってしまえばなんでもありになりつつある。
この規制緩和がどういう結末になるのか、私の頭では創造すら困難だが、少なくとも花屋さんは大変な時代になることは間違いない。
今までは大手も小さな花店も、それほど仕入れ価格に差が無かったが、これからは相当な価格差が予想されるし、さらに産地買いがどんどん加速され、国産の花自体も手に入りにくくなる。
輸入切花は毎年その数字を伸ばし、どんどん国産の花を圧倒し始め、国内の生産者は減少し続けている。
その上、主要切花(菊やバラ)のせり価格は低く低迷し、まさにバランスの悪い業界になっている。
花を扱う人の多くが理解しているはずであるが、市場のセリ価格のアップダウンは異常である。もちろん自然相手の生産品であるから、ある程度の価格差はやむをえないとしても、2日の違いで二桁変わる相場はいまだに理解に苦しむ。
この業界のテコ入れは相当なモチベーションが必要と感じているが、それでもひとつひとつやっていかなくては、花は人工的な扱いで売られる、感動も喜びも軽減された、ただの商品となってしまう。
心を込めて生産した花は、それをしっかりとリレーされ、お客さまにそのよさを伝る必要がある。そのアンカー役が花店であり、販売した花を思いっきり楽しんで頂く為に、きちんとしたアドバイスをする事も重要な役割がある。
話がずれたが、今の花業界でもっとも必要な事。それは価格の安定である。
現状の花を買う消費者の側からすれば、多少の価格変動は逆に楽しくもあり、お買い得的な気持ちすらもてるからそれほど気にもならない。
しかし、これが日常的飾るようになるとちょっと変わってくる。食品と同じく、多少遠くの店でも少しでも安く安定したお店に買いに行く様になる。
さらにいつも価格が変動している店だと、わざわざ遠くの店には行かなくなる。
大手スーパーの切花は1ヶ月単位で商品と価格を決めて仕入れしているところもある。
これらは、年間予約相対という方式で、産地と契約し安定化を図っている。
セリ価格が昔よりすこし変化しなくなってきた背景には、このような前売りが行われてきた事は事実である。しかし、これがエスカレートしすぎても、商品の一社片寄りが起こる可能性もあり、なかなか難しい部分でもある。
今の生産バランスが悪い理由は、誰が何をどのくらい作るのかが、どの組織も把握していない現状があるからだ。
だから、無駄に作りすぎたり、逆にぜんぜん足りなくなって高騰したりする。
これだけ情報化社会になっても出来ない理由は?
その理由を知っているのは 花 だけかも知れない・・・。