†フェイク ラブ† -3ページ目

苦手な女

ばれてたか…

足なら気付かれないと思ったんだけどな


馬鹿だなぁ、あたし。

何してんだろ、あたし。



さっきの店長の表情や言葉を思い出して涙がでそうになったけど、グッと堪えた。



私服に着替え、フロントに行き今日一日の稼いだお金を受け取って店長やボーイに挨拶をして店を出た。


店を出て歩き出してすぐに甲高い声が聞こえてきた。



『るうちーん!お疲れぇ』


この声は……


振り返ると、予想通り童顔を派手な化粧で隠した生え際の黒い傷んだ金髪の派手な恰好のゆうながすぐ後ろにいた。

自傷

『その…大切にしてね、体。この仕事の上司の俺なんかに言われても微妙かもしれないけど…。』


『え…』


『女の子なんだから体に傷残っちゃ、ね?』と、店長はるうの右足をチラッと見て困ったように笑った。


るうは咄嗟に店長の見る右足首を手で隠し、俯いて有線のBGMに掻き消される位に小さな声で『…はい』と返事をした。



店長はホッとした様子でタバコを消して、立ち上がると『じゃあ明日も頑張ろうね。帰る準備終わったらフロント来てね』と言い、部屋を出て行った。




足首から手を離して、無数の傷を眺めた。

指摘

『今日もお疲れ様。はい、烏龍茶でいい?』


そう言って店長はキンキンに冷えた小さな烏龍茶の缶を渡してきた。

『ありがとうございます』と、るうは烏龍茶を受け取り、特に喉は渇いてなかったけど一口流しこんだ。




店長は床に座り、胸ポケットからタバコを取り出した。




……げ、タバコ吸い始めたし。何か言われるのかな…やだな…早く帰りたいのに

内心そう思いながら黙っていたら

『るうちゃんさ』と店長がいつになく真剣な顔で話しだした。