『透明な夜の香り』千早 茜(著)
【内容情報】(Amazonより
元書店員の一香がはじめた新しいアルバイトは、古い洋館の家事手伝い。
その洋館では、調香師の小川朔が、オーダーメイドで客の望む「香り」を作る仕事をしていた。人並み外れた嗅覚を持つ朔のもとには、誰にも言えない秘密を抱えた女性や、失踪した娘の手がかりを求める親など、事情を抱えた依頼人が次々訪れる。一香は朔の近くにいるうちに、彼の天才であるがゆえの「孤独」に気づきはじめていた―。
「香り」にまつわる新たな知覚の扉が開く、ドラマティックな長編小説。
その洋館では、調香師の小川朔が、オーダーメイドで客の望む「香り」を作る仕事をしていた。人並み外れた嗅覚を持つ朔のもとには、誰にも言えない秘密を抱えた女性や、失踪した娘の手がかりを求める親など、事情を抱えた依頼人が次々訪れる。一香は朔の近くにいるうちに、彼の天才であるがゆえの「孤独」に気づきはじめていた―。
「香り」にまつわる新たな知覚の扉が開く、ドラマティックな長編小説。
感想
ブロ友さんのレビューを読んでリスト入りしていた作品。
坂の上の高級住宅地の洋館で家事手伝いとして働き始めた一香。
家主は、調香師の朔さん。
朔さんの仕事の窓口になっている新庄。
お庭の管理を任せられている源さん。
人並み外れた嗅覚を持つ朔さんの元には、深い事情を抱えた顧客が様々な香りの依頼をしてくる。
そんな朔さんにもここで働く一香にも悲しい過去があり…
朔さんの卓越した能力に救われて一香は一歩踏み出していく。
表紙の重い雰囲気からどんな内容かドキドキ感がありましたが、香りをテーマにした作品は初めてで心惹かれる内容でした。
朔さんの住む洋館の様子やお庭の描写、薔薇や様々な植物、菜園のハーブのうん蓄など
それに朔さんの嗅覚で解き明かすミステリーの部分も読んでいて飽きない要素のひとつでした。
『香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶される』…
『人が懐かしい香りに出会う時素直に感情が表情に出てしまう。』…
『香りは再起動のスイッチ。ショックやストレスを受けてフリーズ状態に陥った脳は、香りで目を覚ますことができる…』
香りに関する気づきもあってそこも楽しめました。
朔さんと一香の関係も
想像を裏切るラストで私好みに着地
途中、辛い描写もありましたが、
読後感は爽やかでした
続編も出ているとか…
近いうちに読んでみたいです。
最後までお読みいただき有難うございました(*^^)v