クリーン・サープラス関係と逆進計算 | 連結会計よもやま話

連結会計よもやま話

公認会計士試験や日商簿記検定で難解と言われる連結会計その他について色々と書き綴って行きます。
長年培ったノウハウの公開を通じて皆さんのレベルアップのお手伝いをさせて頂きたいと考えております。

皆様、おはようございます。

今朝は財務理論と計算テクニックの関係です。

包括利益の表示に関する会計基準の導入以降

是非押さえておきたい会計理論として

クリーン・サープラス関係があります。

誰でもわかるクリーン・サープラス関係(暮木孝司)

計算式は次の通りです。

期首純資産+包括利益(当期純利益)=期末純資産

或いは、

期末純資産=期首純資産+包括利益(当期純利益)

この式を変形すると、

期末純資産-包括利益(当期純利益)=期首純資産

更に一歩進めれば、

期末利益剰余金-当期純利益=期首利益剰余金

言う迄もなく、これは逆進計算を表わす式で

連結会計の利益剰余金当期首残高を求める際の

計算テクニックとして知っておくと便利です。

当たり前と言えば、当たり前の手法ですが、

実は、私がかつて在籍していた専門学校で、

このテクニックを伝授する先生はゼロでした。

その意味で先進的と言えるかもしれませんが、

会計士講座の財務会計計算(簿記)の先生は

全員が仕訳最優先という方々だったので、

期末→期首という会計処理を遡る発想が

思い浮かばないのも無理ありません。

 

以下、参考問題となります。
S1社枝分かれ図(参考)

image

この枝分かれ図の親会社持分についても

クリーン・サープラス関係が成り立ちます。

具体的には親会社持分帰属の純資産と包括利益に

以下の式が成り立ちます。

期末純資産-期首純資産=当期包括利益

従って、逆進計算が可能なのは当然な訳です。

期末純資産-当期包括利益=期首純資産

期末利益剰余金-当期純利益=期首利益剰余金

 

この関係を分かり易く横向きの時系列としたのが、

S1社スーパー・タイムテーブルですが、

連結会計はマトリックス構造で、

逆進計算が簡単なテクニックなのも一目瞭然ですし、

本来このような理路整然とした姿であるのは

直感的にご納得いただけると思います。

一般には配点の多い右端のB/S項目から縦向きに解き、

次に左側に遡って行くのが私の計算テクニックです。

やはり、連結会計は仕訳だけだと限界があります。

S1社下書

image

枝分かれ図やマトリックスの発想が出ないのは

既存の連結一巡仕訳に原因がありますが、

以下の投稿でそれを明らかにしています。

僅か4枚の資料で連結会計の本質を明らかに!

僅か4枚の資料で連結会計の本質を明らかに!②

 

次に逆進計算を取り上げた資料となります。

入門編

連結会計「入門」スペース(5/5(日)20:00~)

連結会計「入門」②

総合問題編

 
暮木孝司先生。
noteを参考にさせて頂きました。
大変有難うございました。
今後とも宜しくお願い致します。
 
これからも皆様に有意義な情報を提供して参ります。

ブックマークバナークリックを宜しくお願い致します

 


にほんブログ村

 

 

Twitterではブログに先駆けて

多彩な情報を随時提供しています。

また、Twitterの画像の方が鮮明な為、

ブログと同一の画像を提供しています。

フォローバック致しますので、

フォローを宜しくお願い致します。

https://mobile.twitter.com/renketsu_jp