もう何年経ったことでしょう。
お雛様の供養を考えてから。
去年、父に出て行けと言われてから
今度こそはと思っていたのですが
結局、時間も気力も無く
引越し先を探すのが精一杯でした。
2月こんなかたちで実家に戻るとは
思っていませんでした。
最初は、家族が使っていない部屋を
提供してくれたので
そこに居たのですが、その場所は
父たちの話し声がうるさくて
ゆっくり休むどころかイライラばかり。
1か月経たないうちに家族に
コロナ感染の疑いが!
PCRの結果待ちの間
昔使っていた自分の部屋に避難しました。
(幸い陰性でした)
よくこんなところに居たなと思う。
明るくて広くて天井が高い。
リビングなら良いですが
寝室には向かない。
何処か他に空いている部屋は無いだろうか。
うるさくなくリラックス出来る部屋。
そうだ!
祖父が使っていた仏壇のある部屋がある!
最悪の事態に備えて買っておいた
マットレスと敷布団の出番!
初日は快適過ぎて
何故、もっと早く移動しなかったんだろうと
思った。
数日後の明け方まだ暗いうちに目覚めた。
頭を向けているクローゼットの中からの異音。
カサカサ、カサカサ
父の部屋が上なので
翌朝、父に
「明け方に何やってたの?」と訊くも
トイレに起きただけで何もしていないと言う。
それでも私は、どうせ眠れなくなって
睡眠薬の入った袋でも漁っていたのだろうと
思った。
翌日からまた早朝に異音。
でも、今度は違う。
もう家が古いのでダクトの関係と判明。
謎なのは
カサカサ、カサカサといった音。
あれは何だったの?
よくよく考えたら
父がビニール袋を漁っていてもそんな音は
聞こえるわけがない。
クローゼットのを開けてみたけれど
家の中で唯一入っている物が少ない
クローゼット。
扉を開けるとクローゼットの壁が見えるほど。
そして、紙やビニール袋のような
音のする物は無い。
上でもクローゼットでも無いとすると・・・
クローゼットの裏はトイレ
その延長線上を辿ると
その次は洗面所
その次は脱衣所
その次は階段
その次は・・・階段下の収納スペース!
お雛様が入っている場所だった。
そうだった、ずっと先伸ばしにしていた供養。
ゴールデンウィーク中にやらないと!
真っ暗でジトッとした階段下の収納。
正直、開けるのが怖かった。
そもそも、直ぐに取り出せるのであれば
もっと早くにやっている。
手前の音楽機材は重たくて取り出すのに一苦労。
8ミリビデオやら靴箱やら
色々出してお雛様が入っていると思われる
箱に触れた。
その木箱は丁寧に新聞紙に包まれていた。
新聞紙の日付を見ると1995年。
27年間もずっと出されないままだった。
新聞紙を破いて箱を開けると
緩衝材としてクシャクシャになった新聞紙が
沢山出てきた。
そして大きなブルーのレジャーシートらしき物も
出てきた。
カサカサ、カサカサっていう音
出たかったの?
ごめんね、長い間こんなところに閉じ込めていて。
正式な供養の仕方はわからないけれど
六曜を調べて、丁度、凶の時間帯が
過ぎたところでベランダには日差しが
降り注いでいたので、「今だ!」と思って
お雛様を一体一体そうっと取り出して
ベランダに並べて日光浴をさせました。
(お人形は一年に一度は日に当てないといけないということを訊いたことがあったので)
この季節でよかった。
しっとりしていたお雛様たちの着物が
1時間でパリッとしました。
そしてお寺に電話をして
供養していただきました。
偶然かもしれませんが
私はお雛様がお知らせしてくれたんだと思っています。