子どもの生きづらさや家出、自殺、自傷などを長年取材していて、思うのは、こういう記事はどうなのか?っていつも思う。

 

 まず、第一に、連休明けに記事を出すこと。たしかに、過去の40年間のデータでは、連休明けは自殺が多いというデータがあります。夏休み明けが最も多いですが、年度明けとGW明けも多くなっています。

 

 しかし、毎日のように子どもの自殺が起きているデータであるとも言えます。取材していると、どうして、子どもの自殺が多いと言われている時期だけ、問題にするのか、との声を聞きます。そのため、このタイミングだけ心配しているかのように騒ぐのはどうかと思うのです。子どもの自殺のリスクは毎日あります。

 

 そして、様々な相談機関が紹介されることがありますが、これも、無批判に紹介するのはやめませんか?相談機関には特性があります。たとえば、よく聞く話としては「いのちの電話はつながらない」。たしかに、回線が少ないです。しかし、つながった場合は、傾聴をしてくれることが多いでしょうが、これも、相談員の個性によっても変わってきます。

 

 相性もありますので、「ここに電話をすれば大丈夫!」という場所はありません。それに、話を聞くだけの相談機関と、他の機関と連携してサポート体制を整えているところがあります。分野的にも得意、不得意があります。行政機関といっても、あるいは研修を十分にうけているからといっても、相談者にとって最適とは限りません。

 

 

連休明けの子ども、SOSどう対処? 問い詰めは逆効果

吉沢英将、貞国聖子 2019年5月7日20時10分

 

 

 10連休が明け、学校が始まった。久々の学校生活に不安を抱えている子もいる。子どもたちのSOSを大人は、どうくみ取ればいいのか。専門家に聞いた。

 子どもの悩みを電話やチャットで聞くNPO法人チャイルドライン支援センター(東京都新宿区)には、連休中も電話相談が寄せられた。「学校に行きたくない」という相談に、相談員はまず、「ゆっくり休んでいいよ」「無理しなくていいよ」と語り掛けた。

 同センターの高橋弘恵さん(58)は「10連休や夏休みなどの長期休みは、子どもの悩みが見えやすくなる。周りの大人はさりげなく、聞くようにしてほしい」と話す。

 子どもが発する言葉にはわかりやすいサインがある。「学校、嫌だな」などという場合は、「そうなのね」「どうしたい?」と肯定しながら聞くと、子どもは話しやすくなる、という。過剰な心配や、理由を問い詰めるのは逆効果。ほかにも「夜眠れない」「おなかが痛い」など、体の異変を訴える場合もある。無理して学校に行き、さらにつらい思いをする子も。高橋さんは「しばらく子どもの変化に注意してほしい」と話す。

 東京都文京区で「吉川クリニック」を開く児童精神科医の吉川和男院長も「ゴールデンウィーク(GW)明けは鬼門」と話す。例年、連休明けは診察を受けに来る子どもが増える。7日も午前から、子ども数人の診察にあたった。

 原因はGWの「時期」だ。4月は進学や進級で環境が変わる。強弱はあるがストレスを抱える子どももおり、「連休でほっとした後、切り替えができないまま学校が再開すると、心の問題が一気に顕在化することがある」。心に抱えている不安は、行動やしぐさにも表れるという。朝泣きわめいたり、なかなか身支度を始めなかったり。通学前にゲームを始めるのも「現実逃避のため」とみる。

 親の中には、自身の出勤前にぐずられたといらだったり、「子どもが怠けているだけだ」と思い込んだりする人もいる。「子どもはうまく説明できないことの方が多い。とにかく、耳を傾けてあげてほしい」。学校や精神科医に相談するのは次のステップだという。(吉沢英将、貞国聖子)

悩む子どもの主な相談窓口

・チャイルドライン(18歳以下が対象)

電話0120・99・7777

毎日午後4時~午後9時。チャットでの相談も。詳しくはホームページ(https://childline.or.jp/)

・子どもの人権110番

電話0120・007・110

平日午前8時半~午後5時15分

・24時間子供SOSダイヤル

電話0120・0・78310

 

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