お疲れ様ですびっくりマーク

 

私ですか〜はてなマーク

うーん、そうですね、夏休みになって、その日の夕方のマスターの宿題がまだできてないってことに動じなくなりました昇天

 

はてなマーク本来なら学校のある時間に、マスターの宿題やるのは御法度物申すはてなマーク

 

うんうん、知ってますにっこり

ねぇ、もう、九月以降に宿題回らない予感ビシバシでありますびっくりマーク

 

「100傑の彼女」という忘れられかけの浜学園小説の更新が滞っておりましたが・・・

アメブロではないブログと分けようかなーとか、受験ネタ以外にもやりたいブログネタがあるので、別のブログを作ろうかなぁとか考えておりました。

 

アメブロでありがたいコメントをいただくことも多く、こちらで更新させていただきます。

 

「100傑の彼女〜秘めたる想い〜」という「光る君へ」に影響受けたね貴女的なサブタイトルでお届けしますびっくりマーク

ちょこちょこ短文でアップして更新頻度をあげたいと企んでおります。

 

 

 

 

スタースタースター「100傑の彼女」〜秘めたる想い1️⃣〜スタースタースター

 

月曜日の朝8時。

まだ早い時間ではあるが、パラパラと社員が出勤してきた。

洋子が泣いている常田の背中をさすって励ましていると、そこへ同期の木村拓巳が声をかけてきた。

「おはようさーん、あ、今、取り込み中?」

野球少年だった面影のある幼い顔立ちと、188cmの高身長は新人研修の頃から変わらない。

 

「なぁなぁ、送別会の会場ってさ、なんか楽器弾いたり、歌ったりしても大丈夫な店?」

取り込み中と聞いた割にはどんどん話しかけてくる。こういうところも変わらない。

「うん、ほら、歩道橋の近くにあるさ、お店の前の道、通ったことあるんじゃないかなー、ガラスで中がちょっと見える女子っぽいイタリアン。こじんまりしてるからその日は、貸切みたいな感じだよ。」

洋子は常田の様子を伺いながら答える。常田も涙を拭って、木村の方をチラッと見る。

「あー、あの店か!わかった、通ったことがあるわ、俺。」

ワハハと木村が笑う。目が細くなって人懐っこい笑顔。

この笑顔で取引先でも人気があるって聞いたなと洋子は思う。

 

「何か余興でもやってくれるの?お得意のマツケンサンバⅡとか?忘年会でやって接待大成功って聞いたけど、関西すぎひん?そのエピソード笑」

洋子が揶揄うようにいうと、木村がニヤニヤしながら答える。

「社内情報知りすぎやろ。さすが人事部。ちゃうちゃう、今回はなんと言っても我らが癒し系アイドルのヤナギっちの送別会やし、もっとムーディなやつやるで」

ムーディって!と洋子が木村に突っ込もうとすると、

「あの、送別会って・・・柳さんって退社されるんですか!?」

常田が間に入ってきた。

 

「あ、トッキーちゃんも、ヤナギっちのこと知ってる?そうやねん。今月で辞める。金曜に同期で送別の会やるねん。」

木村が愛嬌ある感じで答える。

常田さんってトッキーって呼ばれてるんだ、木村くんはさすが社内で顔が広いなぁ、それに常田も仕事ができるからいろんな部署の人に覚えられてるんだな、と洋子は思う。

 

「えー、そうなんですね・・残念・・知らなかった・・ショック・・・。金曜日、歩道橋の近くのあの店ですよね・・同期の会のお邪魔にならないように、終わりかけの時間にちょっと柳さんに渡したいものを届けに行っていいですか?」

「え!わざわざ!いいの?もちろんもちろん!多分21時くらいに終わるとは思うんだけど・・・」

「あ、俺じゃあ20時半くらいのヤナギっちの挨拶の後に、花嫁の父のスピーチみたいに想いを詰め込んで歌うって段取りでもいい?そんで、トッキーちゃんももし時間OKなら歌も聞いてーや笑」

「はい!」常田がニッコリ笑う。

良かった。元気になった。木村くんもみんな優しいな、と洋子は穏やかな気持ちになった。

 

 

午後イチの人事部内の業務進捗確認ミーティングでは、部長の岡野は出張先の東京からZOOMでオンライン参加していた。

こちらのマイクがオフなのをいいことに、大阪組のおじさんたちが「最近岡野さん東京ばっか出張してるけど、大阪が本拠地ちゃうんか」「奥さんとか子供に会う交通費うかせてんで」「だいたい東京出身でなんでこんな大阪に転勤してまでわざわざ外資系からウチみたいな古い日本企業に転職してくるんかってハナシ」

などヒソヒソ言っている。

ダサい・・仕事してよ・・と洋子は心の中で毒づく。そして、ああダメダメ、こんな黒いこと考えてちゃダメだわと洋子が一人で反省していると、隣に座っている目黒が

「めっちゃ老害っすね」とPCのチャットで送ってくるので、笑ってしまった。

 

 

JTCらしい特に何も進展のない内輪受けの会議は終わり、会議室を出たその足で洋子は早めに退勤した。

今日は浜学園に行って、教室長に悠斗がVクラスに上がる見込みがあるのか、志望校はどのあたりが良いと思うかをチラッと聞いてみるつもりだ。

 

授業中の時間帯なので浜学園受付は静かだった。洋子の姿を見かけて、浜学園のデキる事務員・山田が受付スペースから洋子のいる側へ出てきてくれた。

「こんばんは。佐藤さん。今日はどうかされましたか?」ニッコリとプロの笑顔で聞いてくれる。

「はい、えーと、今日は教室長って・・・」

洋子がオドオド尋ねると、

「ごめんなさい、今、予約されていた親御さんとの教育相談で別室にいるんです。何か私で対応できることでしたら、おっしゃっていただければ・・」

と山田が言った。

 

教育相談!!

そういえば、マイページの申し込みにそんなの載ってた気がする・・・

一回も申し込んだことない受験生の母親、それが私です!

と洋子は思った。

 

「あの・・そんな大袈裟な感じじゃないので・・山田さんの感想というか感触とかで教えていただけたらななんて思うんですけど・・・悠斗って・・・あの、えっと、Vクラスに上がれる見込みとかって・・あったりしますでしょうかね・・?」

山田の目がキラっと光ったのを洋子は見逃さなかった。へ、変なこと言ってるかなぁ私・・とますますオドオドしながら洋子は続ける。

「今週末に大阪桐INの見学会に行くんです。この間D志社K里にも行って・・すごい良かったんですけど・・悠斗の学力レベルって・・クラスで言うとSが限界みたいな感じですかね・・?志望校とかも・・今言った2校とかのレベルを色々見ていったらいいと思いますか?」

 

山田がじっくり間を取って・・そして勢いよく話し始めた。

「教室長とまたスケジュール確認しまして、個別面談OKの日時ご連絡しますね。それで、詳しいデータとか元に教室長がお話しくださると思うんですけど、で、今のご質問ですけど・・・、私の、ほんと、私の個人的な気持ちとしては・・・

悠斗くんはポテンシャルおありだから!お母さん、そんな控えめにおっしゃらなくっても、全然、V行きます!って言われていいと思いますよ!行けますよ!先日の公開も見ましたよ!360超えてて素晴らしい成績じゃないですか!もっと自信持たれて!悠斗くんを信じて!こんなの今の時期にぐんぐん伸びて頼もしいじゃあーりませんか!志望校も偏差値以外の要素もたくさんあると思うんですけど、今後の悠斗くんの偏差値とか伸びていくこと考えたらさっきおっしゃった2校は併願にされて、統一日一日目は・・もっと上、目指されても良いかとおもうんですけども!!」

 

すごいテンションの高さ!途中、チャーリー浜がいたような・・・

そんなことはどうでもよくて・・え、V行ける!?志望校ももっと上狙えたりするの!?

洋子も気持ちが上がった。

「山田さん・・ありがとうございます!!で、あの、もっと上の学校ってたとえば・・どこあたり・・?」

「そう・・ですねぇ・・・夏休みの頑張り、直前の伸びとかわからないですけど・・・ここの教室でやっぱり学校、近い方が良いですって言う方は・・大阪⭐️光とか受けはりますね。あとは・・まぁ男の子ですし、遠くても大丈夫だよと言うのであれば、頑張ってT大寺、NYTとかも候補入ってきますよね」

 

大阪⭐️光!!クリオネちゃんのお兄さんがここから京医って言ってた!

T大寺のクイズ研究会?とか入って高校生クイズとか出ちゃう!?

NYTで、結愛ちゃんと浜学園からの学園ラブストーリー「京都大学物語」、始めちゃう!?

洋子の妄想が始まったその時、教室長と結愛の母が別の部屋から出てきた。

 

あ!教育相談って結愛ちゃんのママだったんだ!

洋子は二人に軽く会釈した。

そのままの流れで、結愛ママの誘いで洋子は浜学園が終わるまでの間、駅ビルのスタバでお茶することになった。

山田の言葉にテンションの上がった洋子は抹茶クリームフラペチーノ。結愛ママは

コーヒーエイドオレンジディライトという洋子の知らないドリンクをオーダーしていた。

やっぱおしゃれで美人な人は飲むドリンクも違うなぁと洋子は思う。

 

「教室長に、NTYのこと、相談したんです。」

単刀直入に結愛の母が言う。

「で、教室長はなんと?」甘いクリームを口に入れながら、洋子はあえて気軽な雰囲気で尋ねる。

「女子は募集人数が少ない狭き門なので・・・やはり公開偏差値62はコンスタントに取っていきましょう、って」

ううっ!未知の数字!62!なんか営業の目標金額みたいに誰が実現できんねん!簡単に言うなやって気持ちになってきた・・・と洋子は思う。

「正直・・・マスターの算数C問題とか全然ついて行けてなくて・・・。復習テストも恐ろしい点数の時もあります・・。でも算数を克服していかないと・・・NYTなんて、NだやT大寺の男の子たちが2日目午後入試にやってきますからね・・もう来なくていいのに。みんな別の学校行って笑」

ちょっと笑いながら結愛の母もオレンジの浮いたおしゃれなドリンクをごくっと飲んだ。

 

「ねぇ・・ほんと。Nだ猛特訓?とか受けてる天才男子たちはどうやってるんだろう・・・」

洋子も言う。

「前に同じクラスにいた松尾くんって覚えてます?彼は、上本町校にいって、さらに家庭教師も2人つけているらしいです・・・。最後の日にお母様と偶然浜学園でお話しできて、おっしゃってました。Vクラスの算数がいつもベストの子はハマックスで公開対策とオンライン家庭教師で宿題回してるそうです。うちも・・家庭教師お願いしようかなって・・もはや引けない・・🎶もーはや ひけーない」

 

ええー!重課金!浜学園の月謝も高いのに、合計月いくらー?

洋子はズズズーっと抹茶フラペチーノを飲んだ。

驚きすぎて、結愛の母親が小声で歌ってしまっていることも気づかない。

中学受験沼に飲み込まれつつある二人の浜学園母であった。

 

続く滝汗