• 中国・三門3号機の格納容器壁工事が進捗
  • データセンター需要の中、ネクステラが原子力発電所の再稼働を検討
  • 米国民の原子力への支持が過去最高、世論調査で明らかに
  • カザトムプロム、ウラン鉱床インカイ3のパイロット生産を承認
  • キルギスタン、ウラン採掘禁止を撤回
  • トカマク・エナジー、ST40核融合炉でデジタルツインを使用
  • パーミアン盆地のGTCC廃棄物処分に関する訴訟が米連邦最高裁に送致
  • アルゼンチンの陽子線治療センターにサイクロトロンを設置
  • 米サバンナ・リバー・サイト、5年間で9000人雇用へ
     

中国・三門3号機の格納容器壁工事が進捗

中国浙江省の三門原子力発電所3号機(CAP1000)で、格納容器の主要壁を形成する3基の鋼鉄リングが吊り上げられ、所定の位置に据え付けられた。上海核工程研究設計院(SNERDI)は、6/5、3基のリング(各リングの壁厚は約4.5cm、内径は約39.6m、全高は約11.6m)の据付が完了したと発表した。吊り上げ総重量は約826t。

(画像:Hou Bangjun /SNERDI)

 

データセンター需要の中、ネクステラが原子力発電所の再稼働を検討

テクノロジー企業がデータセンター用の電力を求めていることから、ネクステラ・エナジー社はアイオワ州のデュアン・アーノルド原子力発電所(BWR、60万kW)の運転再開を検討している。ネクステラ社のジョン・ケッチャムCEOによると、潜在的な顧客は、この原子力発電所からデータセンターに電力を供給することに興味を示しているという。「安全かつ予算内で可能であれば、検討したい」とケッチャムCEOは言う。

ジョン・ケッチャムCEO (写真: F. カーター・スミス/ブルームバーグ)

 

米国民の原子力への支持が過去最高、世論調査で明らかに

ビスコンティ・リサーチ社の最新調査によると、米国での原子力に対する国民の支持は過去最高水準にある。調査結果によると、4年連続で米国民の4分の3以上が原子力の利用に賛成している。「全米原子力世論調査」は、4/30~5/2にかけて実施され、誤差範囲は±3%ポイント。米国成人1000人を対象に、ビスコンティ社がクエスト・マインドシェア・オンライン・パネルと共同で実施した。同社は1983年以来、原子力に対する意識に関する全国調査を実施している。調査では、回答者の77%が、米国で電力を供給する方法の1つとして原子力を利用することに強く、またはある程度賛成すると答えたのに対し、23%が反対した。

米国における電力供給手段の一つとしての原子力利用に関する態度、1983~2024年(画像:ビスコンティ)

 

カザトムプロム、ウラン鉱床インカイ3のパイロット生産を承認

カザフスタン国営原子力企業カザトムプロムは、エネルギー大臣と新たな地下資源利用協定を締結し、インカイ3鉱床から最大4年間、合計701tUのパイロット生産を行う承認を得た。インカイはトルキスタン地域のスザク地区に位置する重要なウラン鉱床である。カザトムプロム社によると、インカイ3鉱床には83,100トンUのウラン資源が含まれているという。

(画像:カザトムプロム)

 

キルギスタン、ウラン採掘禁止を撤回

キルギスタン議会は「代替収入源の深刻な必要性」を理由に、ウラン採掘を禁止する法律を撤回した。キルギスタンには既にソ連時代の放射性廃棄物が残っており、この動きは安全上の懸念を引き起こしたが、同国はロシアに対する西側諸国の制裁による間接的な影響も感じている。

 

トカマク・エナジー、ST40核融合炉でデジタルツインを使用

英国を拠点とするトカマク・エナジー社は、デジタルツイン・コンピュータ・ソフトウェアにより、実機マシンで複数のシナリオをテストする必要なく、各実験の影響を最大化できると述べている。2023年、ST40核融合装置は1億度の核融合プラズマを達成した。これは民間所有の球状トカマクで記録された最高温度である。SOPHIAと命名されたデジタルツインコンピュータソフトウェアプログラムは社内で開発され、2023年「高磁場球状トカマクにおける高性能なダイバータプラズマシナリオ」開発を支援で試験されたもの。計画では、2024年にST40プラズマオペレーションに完全に統合される。同社によると、一度に複数のシミュレーションを実行でき、「予測結果は実際の実験を反映していることが証明されており、ST40テストがマシンの限界を超えず、プラズマ崩壊を引き起こさないことが保証されている」という。

(画像:トカマク・エナジー/LinkedIn)

 

パーミアン盆地のGTCC廃棄物処分に関する訴訟が米連邦最高裁に送致

ウェイスト・コントロール・スペシャリスツ(WCS)社は、米国第5巡回区控訴裁判所がパーミアン盆地における「クラスCを超える(GTCC)」放射性廃棄物の処分を許可するライセンスを取り消した判決を不服として上訴した。この訴訟は連邦最高裁判所に持ち込まれ、原告はWCSとオラノ社の合弁会社であるインテリム・ストレージ・パートナーズ社である。

(画像:TCWF提供)

 

アルゼンチンの陽子線治療センターにサイクロトロンを設置

高度ながん治療用の陽子線を生成する230トンのサイクロトロンが、今週2段階に分けて建屋内に設置された。このセンターはブエノスアイレスの核医学診断センター財団(FCDN)の隣に建設中で、アルゼンチン原子力委員会(CNEA)、ブエノスアイレス大学、建設会社INVAPの共同プロジェクトである。プロテウス・プラス・システムの C230 サイクロトロンは、陽子ビームを生成する円形の粒子加速器。最大4m幅のコンクリート壁で囲まれた安全な空間に据え付けるため、サイクロトロンの下半分と上半分を吊りこみ設置するには、精密な作業が必要だった。

サイクロトロンは2つの部分に分けて吊り込まれた(画像:CNEA)

 

米サバンナ・リバー・サイト、5年間で9000人雇用へ

米国サバンナ・リバー・ニュークリア・ソリューションズ社は、今後5年間で9,000人の労働者を雇用しようとしており、有望な候補者の訓練にも積極的である。すでに数百人の有給従業員見習いが働いており、大学学位取得を目指すパートタイマーの道もある。

サバンナ・リバー・サイト(SRS)の作業員は、原子炉から取り出された使用済燃料棒の処理から、毒性の高いプルトニウムの濃度を下げることまで、さまざまな技術の訓練を受けている。SRS/YouTube