まわりの人からどんどん教えを乞おう



「聞くは一時の恥。聞かぬは一生の恥」

 わからないことは恥かしがらず、その都度勇気を出して素直に聞いた方が、どんなに後々大きな恥をかかなくて済むかを指摘していますよね。

 中学一年生の時、知らないのに知っているふりをしていた私を察知するなり、担任の先生は大きな声でよくこの言葉を言われました。そのお陰で中学校卒業する時には知らないことは何でも人に聞けるようになりました。

 そんな私ですが、米国でプロの経営コンサルタントになってから、その原点を忘れ知ったかぶりをして大失敗したことがあります。ちょっとした笑い話にもなりますが。


 それは経営コンサルタントとして独立仕立ての頃のことです……

 テキサス州政府の経済開発機構のアドバイザーに就任したのがきっかけで、同機構の長官と理事四人を連れて、テキサス州に進出することを検討していた日本の大手コンピューターメーカーH社の本社を企業誘致目的で表敬訪問した時のことです。

 お会いしたH社の専務はせっかく遠路はるばる米国から日本に来たので、美味しい本場の日本料理をご馳走したいとのこと。それで半分通訳を兼ねた私を含め同機構の全員一流の料亭にご招待頂きました。


 料亭に到着後、H社の専務一行は社内打ち合わせで遅れているので予約した懐石料理を先に食べ始めてほしいとのメッセージがありました。早速懐石料理が運ばれ始めました。が、長年米国に住んでいた関係で私は実は懐石料理を食べたことはありませんでした。不安で女将さんに出されたものをすべて食べていいのかどうか恥かしくて聞けませんでした。

 彼女が部屋から去るのを見届けて、いきなり皿に乗っているものすべて食べ始めたところ、米国人である全員が私の真似をして皿に乗っているものすべて食べきってしまいました。食べ終わった直後、H社の専務が部屋に到着しました。そして、彼が一言。

「浜口先生、まさか皆さんにすべて食べるとは言われてませんよね? でもアメリカ人って凄いなあ! 飾りまで食べちゃうんだもんなあ……」

 私は赤面と同時に額から脂汗が……。「一言女将さんに聞けば良かった」と。