
一見平穏を保っているが、この形態の持続はあり得ない。
空洞(トンネル)の強度はシールド工法により、全体円形に掘削されるものである。従って上部のアーチは当然のことながら、下部に至っても円形(つぼまっていること)が絶対条件ではないかと思う。
圧迫による力を分散させることは強度を保つための必須条件である。
つまり作品はこの脆弱さを暗黙のうちに訴えているわけである。
社会全体が等しく規格化されることを案じている。
この崩落の予感には震撼とさせる心的振動がある。
一時的な静寂、しかし、後の現象を作家は憂いている。
写真は『若林奮 飛葉と振動』展・図録より 神奈川県立近代美術館