『城』3163。 Kは、眠っていた。もちろん、ほんとうの眠りとは言えなかった。おそらく、さっき疲労困憊しながらも目をさましていたときよりは、ビュルゲルの言葉がよく聞こえた。しかし、うるさいぞという意識は、消えていた。自由になった感じだった。☆Kは眠っていた(死)、なるほど実際は小舟での眠り(死)であった。多分、さっき死ぬほど疲れていた時よりも目が覚め、ビュルゲルの言葉はよりよく聞えていた。 一語一語が耳を打った。しかし眩惑の意識からは解放されていた。