
カーテン(遮蔽されたある領域)の中の空と海、天地・水・光と捉えてもいいかもしれない。
それが乗っている黄土色の面は地上、背景の漆黒は闇(夜)である。つまり、地球を暗示していると思われる。
ある日ある時、地球上に信仰の要としての原初の物語が誕生した。地球が丸いなどとは確認できず、人類の祖が猿などでは決して有り得ないと信じられていたころの硬く強い約束。生きるための糧…その世界である。
語ったものは《神》であり、人ではない。しかし・・・。
人なくして言葉はなく、思考は生まれ得ない。神なる人…聖人である。
億年を経過したのち、現今を席巻する聖人の創ったとされる世界観は通用しているのだろうか。
億年を経ても不死である神は、否、聖人は遠い昔(現今)を偲んで成した偉業を回想するのではないか。
マグリットは現今の状況を否定しない。ただ宇宙スケール、遠眼鏡で眺めたらという視点を提示している。
(写真は国立新美術館『マグリット』展/図録より)