
直立した魚・水平線・遠くに人間二人と大きな球体が、曇天のもとに見える。
魚の直立など在りえず、直立二足歩行は現今人間だけである。にもかかわらず魚を直立させた理由は何だろう。
しかも『同族意識/Family Feeling』という。
確かに生物は《海》に因している。アミノ酸・核酸塩基・糖まどの有機物が何らかのエネルギーの触発を受けて生物(単体)を発生させた経由がある。
だから魚が巨大化して優位を示しているというのではなく、遠方に見える人間から手前の魚を見たら極小に見えるはずである。つまりこの対峙は対等という距離感に描かれている。
わたし達が悟りをもって究明しようとしている《真理》も宇宙の領域から見れば絶対ではなく、心理の核(理想)に過ぎない不安定なものかも知れない。
それを、言葉や叡智を持たないとされている魚が俯瞰している。
《どれほどの差異があるのだろうか》・・・同族/Familyにすぎないのだと。
人間の傲慢、奢り・・・優劣の意識の狭小感覚を捨てよ!
生きとし生きるもの全ては《同族/Family》である。
(写真は国立新美術館『マグリット』展/図録より)