岩はわたくし(マグリット)であるのか、【主なる神はとこしえの岩である】(イザヤ書/第26章より)という岩なのか・・・ひとりひとりに神は宿るという意味なのだろうか。
 この画の中の真実は窓外に見える水平線であり、視点は岩に対峙しているという構図である。従って、鑑賞者は岩と真正面から向きわねばならず、岩の中に入るほどに眼前は岩そのものである。

 岩はわたくし、すべてのわたくしであるに違いない。

 わたくし達は人為的構築物の中にいる、身動きできないほどに社会の制圧や約束の中で生きている。集積された知識・情報から逃れることは不可能とさえ思える。この束縛・重圧…。
 光は窓から射しているので、部屋は密室に見えるが、前面(未来)は解放されている。

 この解放に気づくこと・・・すなわち解放『記念日』である。


(写真は国立新美術館『マグリッㇳ』展/図録より)