16A35
52歳男性の全身倦怠感。進行肺腺癌に対して免疫チェックポイント阻害薬による治療中。意識清明だが、血圧 72/52mmHg, 甲状腺軽度腫大しているが甲状腺機能は正常でエコーで異常なし。 Hb 12.0 血糖 104 ACTH正常だがコルチゾール低下。胸部X腺では原発巣の縮小を認める。対応は？
a 赤血球輸血
b インスリン投与
c 殺細胞性抗癌剤投与
d 甲状腺ホルモン投与
e ステロイド投与
（解説）
免疫チェックポイント阻害薬は従来の抗がん剤とは異なる作用機序をもつため、副作用も異なり、自己免疫疾患に類似した症状を呈し、免疫関連副作用（immune-related adverse event：irAE）とよばれます。内分泌系では下垂体炎、甲状腺炎、副腎不全をおこします。最近のトピックですが、学生さんのレベルでは難しいと思います。初めての出題。治療の基本はステロイド投与。正解は（e)