横浜情景（17）日本丸総帆展帆（そうはんてんぱん）10.6.13.
買い物から帰ってきた相方から『日本丸が帆を広げてるよ』と言われ、急遽チャリで向かいました
。
5月30日の総帆展帆（そうはんてんぱん、29枚全ての帆を広げること）は雨天中止だったので、失念していました。
日本丸は昭和5(1930)年に建造された商船学校の練習帆船です。昭和59(1984)年まで約54年間活躍し、地球を45.4周する距離(延べ183万km)を航海し、11,500名もの実習生を育ててきました。昭和60(1985)年4月より、この場所に現役当時のまま保存し、一般公開をしています。航海練習船としての役割は【日本丸Ⅱ】と、その姉妹船【海王丸Ⅱ】が引き継いでいます。
野外スケッチ教室が開かれていて、先生のスケッチの仕上げ
を生徒さんたちが熱心に見守っています。生徒さんといっても皆さんアラカン（アラウンド還暦）でいらっしゃるのですが、お若く見えます
先生のスケッチが完成し、生徒さんたちは写真に納めたりしてにぎやかです。（ところで絵を描き始めなくていいんですか
3時まであと30分もありませんよ
）
日本丸の船首にはまだ船首像（フィギュアヘッド）はありません。日本丸Ⅱには「藍青（らんじょう）」、海王丸Ⅱには「紺青（こんじょう）」という船首像が取り付けられています。
http://www.kohkun.go.jp/knowledge/hansen/hansen_10.html
アラカンの生徒さんたち、自分たちの席に戻りスケッチを始めましたが、畳帆（じょうはん、帆をたたむこと）が始まってしまいました。下の帆がまず畳まれます。
続いて一番上の帆が
上から2番目の帆が
上から3番目の帆が
これで横帆すべてがほぼ畳まれました。
前の縦帆（スパンカー）が滑り落ちます。
この頃になると、アラカンの生徒さんたち、『早く仕上げなくちゃ』から『顔上げる度に帆の数が減ってゆくのよ
』『何枚あったか覚えてないわ
』思わず笑ってしまいました（失礼）
ここからが本番です
展帆ボランティアの人たちがマストを登り始めました。
一番上のセイルにまで登り詰めます。
そしてヤード（帆桁）に移動し、各自配置につきます。
ボランティアは毎年募集30名。体重制限はありませんが年齢制限（20歳～40歳未満）があります。
下から見ていても、宮川大輔流に言えば【200チンさむ】デス
白い訓練服のボランティアを青服の日本丸乗組員が指導します。
時おり強風が吹き、下から見てもヒヤッとします。
一番上のセイルは小さいのでヤードに巻き付けるのは比較的容易です。
でも巻き取ると下が丸見えになるので怖さ倍増ですね
上から2段目までがほぼ巻き取られました。
アラカンの生徒さん方はとっくにスケッチ描くのをあきらめて畳帆作業の様子を一緒に見ています。
『よくあんなところまで登れるわねぇ～
』『大変ねぇ～』
下のセイルほど、大きく重いので、下辺を手繰り寄せるのが大変です
メインマストの一番大きいセイルは結局左の日本丸乗組員が巻きつけていきます。
他のセイルの畳帆作業は終了して、みんな持ち場で待機してます。
マストに《傘寿》の文字が。1930年生まれですから、ちょうど80歳になりますね
いよいよ大詰めです。
横帆の畳帆がほぼ完了し、上の持ち場で待機していたボランティアも下に降りました。
ボランティアは女性もいます。畳んだスパンカーにカバーを取り付けています。かれこれ1時間になります。
展帆より畳帆のほうが手間がかかり、見ごたえがありますね。
（参照）
帆船日本丸http://www.nippon-maru.or.jp/