旅の終わり | ネオンの明かり
さらば異国の海。
水色と、濃紺と、翡翠の濃淡には、
海というよりも、極端に色彩を誇張した、
ひとつの風景画のようでした。
波打ち際に沿って歩く、
多様な神をもつ国の人たち。
それぞれに思いを馳せ、
波間に想いを浮かべていたようです。
すれ違うときの思いやりは、
鬩ぎあいのない健やかな時間が、
風となって過ぎていくようでした。
つぎに
彼の地を訪れることはないとしても、
いまもそのj風を、感じるときはある。
その風を知るものは、
やわらかな笑顔をみせる人にちがいない。