は熊本県熊本市の南方
 川尻地区で、和菓子店6軒が、
力を合わせて取り組む活動
「かわせりろっかしょう」
         (開懐世利六菓匠)


今回の春馬さんの取材先は
"活気を失っていく町を何とかしたい"
と開懐世利六菓匠の活動を通して
町興しを行っている 

和菓子店 天明堂の北川和喜さん
です。

春馬さんは
昔と今、人と人をつなぐ精神
北川さんこそが"日本製"と
語っています。





天明堂は、創業200余年でありながら、
大吟醸を含ませたカステラや
ケーキ、喫茶といった自由な発想で
営まれている和菓子店。

大吟醸カステラをいただいて、春馬さん
「おいしいです。すっごくおいしい。
頬張った瞬間の空気に大吟醸の
いい香りが入ってくるんですよ。」


春馬さん嬉しそうなんだそうです!
和菓子大好きなんだそうです。

たしか日本舞踊も習っていた春馬さん
練習の合間に、和菓子をいただく
こともあったのかな
なんて想像してしまいます。







江戸時代に交易港として栄え、
刃物や桶など道具職人の町だった川尻。

町の歴史を残す拠点、
くまもと工芸会館での
和菓子実演販売をきっかけに、

町の空き缶拾い、清掃
6人(店)共同で作る芸術工芸菓子、
お菓子教室などの活動を

本来ライバルの
川尻の6店の和菓子職人さんが
手を取り合って行っているそうです。

20から30年経た、2014年の記事では
毎年2月に7000人の来場者が
訪れる人気イベントに成長したようです。



スゴイ  開懐世利六菓匠。



"懐ろを開いて世に利をなす"
という
川尻の古名  開懐世利(かわせり)を用い
称えてくださった町の歴史家の言葉
が活動の支えになったと、


北川さんの大きな志が、
菓子という、素朴で何気ないものに
力を与え、
町の活気を、人との繋がりを
取り戻していく。







北川さんが語った
「時代にあった商売、技術を研鑽し
次の時代に繋げていく。
俳優さんもおなじ、
ものを作るというのは、
人間が本来持ち合わせている本能。
ひとりで出来ないことは、ふたり
三人いればもっとできる」

の言葉に


春馬さんは
「ともに成長していく。
生きていくうえで、少し忘れてしまって
いたような感覚が沸々と沸いてきました。
そして欲にからせず...
とても素敵なことばですね」


春馬さん
とても大切なものを受け取られた
ように感じました。











春馬さんが語っていた
共に成長
欲にかられず..
の言葉に


映画  君に届け  を見て、
春馬さんは
すでにこれを実践しているのではと
感じました。



かっこよく、爽やかで、
リーダーシップと明るさ、人気者
人がうらやむ全てを持ちあわせた
魅力的な高校生
風早翔太を演じる春馬くんは
華やかに映る外見とはうらはらに、



自分とは異なる人への共感と
優しさ、
役柄の内面の美しさの魅力こそが、
共演者の心も
視聴者の心も動かすと
わかった上での役作りを
されているように思います。







純粋なのに、心の開き方を知らない
同級生黒沼爽子(多部未華子さん)
の心の美しさを見抜き、
惹かれ、恋心が届くよう願いながら
彼女を導いていく役処。

多部さんの気持ちを知りたいと
うろたえながら、話しかけていくとき、
彼女から好きだと伝えられたとき
春馬さんの表情は

瞳の奥から、揺らいだように光る瞳
で繊細な気持ちを表現しています。

その細やかな演技が、
見るものの心を打つことを知っているから
その思いを魅せてくれるのかな。



熊澤尚人監督はインタビューで
春馬さんのことを
初めてあったときは、目を見られない
くらいシャイだった。
テレビでは激しい役をやっているけど
実際はセンシティブな人。
でも慣れてくると、周りのことを
凄く考える、男気のある爽やかな男の子。
初日からクラスメート全員と
コミュニケーションとろうと
努力していました。

と語っています。





春馬さんにとって欲は
自己の利益欲ではなく、

芸能の業界のより良い発展のため、
お客様に楽しんでもらうために
俳優の技術を高めるための努力に
使った方ではないでしょうか。

どこかで、俳優をいることの理由を
観る方に認めもらいたい  というような
言葉を見た記憶がありますが

その為に、ご自分ができうる努力
全てを、注ぎ入れてくださったように
思います。






北川さんの眼差しや
会話の中で垣間見れる笑顔に、

故郷のために手と手を取り合い、
奮闘してきた北川さんの生き様が
にじみ出ているようです
と春馬さんおっしゃって


焼きたての大きなカステラを持った
北川さんを写真を写しました。




北川さんの表情は
大きな河を渡り抜いて来た人が
たどり着いた
融和な笑顔なんです。






お菓子作り自体が凄く素朴なものだから
とおっしゃっる北川さんの、
大きな志が、町を人を動かしてきたと
解るから

ゴールの無い俳優業と同じように
町興しにゴールは無いと
解るから

春馬さん
「些細なことに目を向けて、自分を成長させたい」

と胸に刻むように語ってくれたのだと
思えました。








2016年3月号掲載
2010年9月公開