【訃報】人間国宝の落語家・柳家小三治師匠が逝去。~映画『小三治』(2009年)~ #柳家小三治 | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

HALUの映画鑑賞ライフのBlog

~映画鑑賞雑記帳 &京都・滋賀の季節の歳時記 & 読書などのお気儘ライフ~

人間国宝の落語家・十代目柳家小三治(本名:郡山剛藏)さんが、心不全のために10月7日に亡くなっておられたことがわかった。

昨日の10月10日(日)、落語協会のホームページで発表された。

享年81歳だった。

最後の高座は、2日の府中の森芸術劇場での「猫の皿」となった。

 

小三治さんは、もともと体が丈夫な方ではなかった。持病のリウマチ、糖尿病と闘いながら高座に上がり続けていた。2017年1月に寄席の高座で「アルツハイマーの疑いがあると言われた」と明かした。ネタを言い間違えたり言い淀むすることはなかったが、関係者によると物忘れがひどくなったため治療していたらしい。

 

同年8月には「変形性頸椎(けいつい)症」のため手術を受け、3週間休養した。小三治さんによると、手術は「首の骨を並べ替える」大手術だったそうだが、同年9月の復帰高座では「これからも一生頑張ります。もっと生きて、お話を聞いてもらいたい」と意欲的だったとのこと。

 

 

サイトでは、「当協会顧問の柳家小三治(本名:郡山剛藏)が、令和3年10月7日(木)午後8時、永眠いたしました。(81歳)。故人の遺志により密葬にて執り行われました。お別れ会の予定はございません。謹んでご冥福をお祈りいたします」と伝えられた。

 

 

  また、柳家小三治事務所も書面で、上記にある様に「最後の高座は10月2日、府中の森芸術劇場での『猫の皿』となりました。亡くなる当日まで次の高座を楽しみにしておりましたので、突然のことでした。この先予定されていた落語会を心待ちにしてくださっていたお客様には申し訳なく存じます。また長らくご贔屓いただきましたお客さま、関係者のみなさまには心よりお礼申し上げます」とつづった。

 

 

【略歴】

 小三治さんは、都立青山高で落語研究会に入部。ラジオ東京(現TBSラジオ)「しろうと寄席」を15週連続で勝ち抜いた。大学受験に失敗して浪人中だった時、小学校教師の父親の猛反対を押し切って、1959年に5代目柳家小さんに入門し、前座名「小たけ」として活動。1963年4月に二ツ目に昇進し「さん治」と改名した後、1969年9月に真打へと昇進すると、十代目「柳家小三治」を襲名した。出囃子は二上がりかっこ。

2005年紫綬褒章を受章。2010年には落語協会の会長就任したが、2014年に会長職を退き、顧問となった。そして、2014年には、五代目柳家小さん(故人)、三代目桂米朝(故人)に続き、落語界から3人目の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。

趣味はスキー、カメラ、ゴルフ、音楽など多数。

 

 

私の場合には、生憎と、江戸落語の大看板である十代目柳家小三治師匠の高座を直に生で拝聴する機会は結局、一度も無かったのですが、2009年に単館系のドキュメンタリー映画として上映された、『小三治』(2009年)を観に行った際にスクリーン越しではありましたが、小三治師匠の落語や生き様、そのお人柄などに触れる機会があったので、その際の感想のレビューを、当時、このブログとは別の映画クチコミ投稿レビューサイトに残していましたので、その私の感想を、この機会に転載して皆さんにもご紹介しようかと思います。

 

 

※以下、2009年当時のこの映画を観た感想です。

 

「根性の密着ドキュメンタリー映画(09.5/24・劇場鑑賞)」

ジャンル:ドキュメンタリー

製作年/国:2009年/日本

配給:ドキュメンタリー映画『小三治』上映委員会

上映時間:104分

上映区分:一般(G)

公開日:2009年2月21日(土)

監督:康宇政

語り:梅沢昌代

キャスト:

柳家小三治 / 入船亭扇橋 / 柳家三三 / 立川志の輔 / 桂米朝 / 桂ざこば

 

 

京都市内の単館系ミニシアターの京都みなみ会館に観に行きました。

先ずは、寄席とは、その日その日の「生もの」だとして、これまでテレビ出演さえ拒否し続けていた、記録に残すのが嫌いな、柳家小三治師匠を、これまで3年以上もの間に亘り、ドキュメンタリー映像として密着して撮り続けてきた監督さんやクルーの皆さんの根性に感服致しました。

 


私は父が落語好きのために数々の上方落語のCDやDVDが家にあるのですが、生憎と、私は小三治師匠はじめ東京の鈴本演芸場などの東京の“本場”の江戸落語は見聞きした経験がありませんでした。

江戸落語に関しては、誠にお恥ずかしながらも、映画『しゃべれどもしゃべれども』(2007年)の劇中にて、伊東四朗さんや国分太一さんが扮する噺家による素人芸に触れたくらいでした(汗)

 



しかしながら、本作のドキュメンタリー映像の途中、落語の「らくだ」のくだりがあるのですが、上方落語の重鎮・人間国宝たる桂米朝師匠の「らくだ」と比べて、「あぁ~こういう間(ま)もあるのだなぁ~」と小三治師匠の独特の落語の間(ま)の一端を見た気が致しました。

 





小三治師匠のクラシックに、スキーに、バイクにと多趣味な一面も見られ、また弟子の柳家三三師匠の真打ち顔見せ興行の様子も覗えて、その噺家としての生き様やお人柄まで良く捉えた、とてもよく出来たドキュメンタリー映画だと感じました。

 



父の影響で落語好きな私的な評価と致しましては、五つ星評価的には、★★★★(80点)の高評価です。
お薦め作品です。

 

 

※尚、この映画が公開された2009年の同時期くらいに、NHKの『プロフェッショナル・仕事の流儀~噺家・柳家小三治の仕事~』といったドキュメンタリー番組も、当時に放送されていましたが、この映画『小三治』の方が小三治師匠のお人柄がしのばれており、断然にこちらの映画の方が良い内容のドキュメンタリーだったのですが、生憎と、このドキュメンタリー映画『小三治』のDVD化されている映像ソフトの販売流通ルートも、どこの動画配信サービスも現在取り扱いもないようですので、NHKーBSプレミアムのBSシネマの放送枠ででもどの番組の放送枠でも良いので、是非とも、この映画『小三治』の追悼放送をお願いしたいくらいです。

 

故人のご冥福を衷心よりお祈り申し上げます。合掌。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。