『アイアン・スカイ』(2012年) | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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「月からナチスが攻めて来た!!(DVD鑑賞)」
ジャンル:SF
原題:IRON SKY
製作年/国:2012年/フィンランド=独=豪
配給:プレシディオ
上映時間:93分
公式サイト:http://gacchi.jp/movies/iron-sky/
公開日:2012年9月28日(金)
監督:ティモ・ヴォレンソラ
出演:ユリア・ディーツェ、ゲッツ・オットー、クリストファー・カービー、ウド・キア、ティロ・プリュックナー、ペータ・サージェント、ステファニー・ポール
ほか

PG12

アイアン・スカイ・チラシ
アイアン・スカイ・チラシ裏

劇場公開時に観逃してしまった作品でしたが、DVDを購入し鑑賞。

アイアン・スカイ・タイトルバック

率直な感想と致しましては、
男尊女卑や人種差別や血統主義などの問題についても、反面教師的な、実に面白いブラックユーモアの効いた社会風刺映画になっていて、すごく楽しめるSF映画でした。

アイアン・スカイ・ナチス月面基地

月の裏側の月面基地に潜んで地球帰還の機会を探っているといった設定のナチスの残党であるにも拘わらず、さぞや相当な科学力を有しているはずが、地球から来た宇宙飛行士の持っているスマホに驚いたり、ナチスのコンピュータは、すごく巨大な装置で、また、未だに蓄音機で音楽を聴いているなど皮肉たっぷりなところも面白かったですね。

アイアン・スカイ・リヒター博士

あまりにも突っ込みどころがアリアリで、「無重力状態で銃撃したらば反動で自分も、すっ飛ばないの?」とか「重力は月面上では6分の1のはずではないの?」とか「なんで月面基地に、そもそも空気があるの?」とか「基地の外で宇宙服を着なくても、宇宙線を浴びても大丈夫なの?」とか、あまりにも深く考え出したらキリがない映画ですが、まぁまぁ、そこはご愛敬。

アイアン・スカイ・宇宙飛行士射殺
アイアン・スカイ・レナーテ・リヒター&ワシントン

製作費を草の根のカンパで募るという意気込みが、先ず、すごいですよね。
国や企業など以外にも、日本円で、総製作費約7億5千万円(約750万ユーロ)のうち、個人から出資のカンパが約1億円(約100万ユーロ)というから、これまた、すごいですよね。

お話しの流れ的には、
ナチスの残党がUFOを作っているといった都市伝説を地で行く作品です。

アイアン・スカイ・ナチス宇宙船

時は2018年。
アメリカの女性大統領が再選を果たすべく、その選挙PRのために、黒人モデルのジェームズ・ワシントン(クリストファー・カービー)を宇宙飛行士に抜擢し、50年振りに、無事に月の裏側の月面着陸に成功するのでしたが、消息を絶つのでした。

アイアン・スカイ・選挙PR看板
アイアン・スカイ・ジェームズ・ワシントン飛行士

ジェームズ・ワシントン飛行士は、ナチスの残党に拉致されていたのでしたが、ナチスの残党達が住む月面基地・コーツフライシュ総統(ウド・キア)の命令により、野心家の将校クラウス・アドラー(ゲッツ・オットー)は、スマホ調達のために地球潜入作戦を志願するのでした。マッドサイエンティストにより<白人化>されたワシントン飛行士を案内役に、空飛ぶ円盤に乗って月を旅立つのでした。

アイアン・スカイ・月面総統コーツフライシュ
アイアン・スカイ・クラウス・アドラー

空飛ぶ円盤には、次期総統の座を狙う野心家の将校クラウス・アドラーのフィアンセであり、ナチスが掲げる理想を心から信奉する地球学者のレナーテ・リヒター(ユリア・ディーツェ)もこっそり乗り込んでいたのでした。

アイアン・スカイ・レナーテ・リヒター2
アイアン・スカイ・ナチス宇宙船着陸

といったストーリー展開の作品でした。

地球に着陸後、直ぐに、スマホを調達するのかと思いきや、お話しはおかしな方向に進んで行き、ナチスの残党の二人は、アメリカ大統領の敏腕パブリシストとなるかと思えば、またまた、アレよアレよと、月からのナチス軍VS.地球防衛軍との対決という構図になってしまうといった奇想天外なB級SF超大作でした。

あたかも「朝まで生テレビ」の様な国連首脳会議も笑えましたが、その中でも、北朝鮮の代表の発言にも皮肉たっぷりで笑えましたね。

アイアン・スカイ・レナーテ・リヒター1

私的な評価と致しましては、
あまりにも、B級色の強い映画でしたが、アイデアが冴えていて、この映画の持つ反面教師的な社会風刺が、実に、上手く効いていて、実に面白くて、不謹慎とも言えるナチスの再来を題材にした映画ながらも、かなりのブラックユーモアとして楽しめる映画でしたね。
突っ込みどころも満載で、多少荒削りなところもありますが、そこはご愛敬ということで、★★★★(80点)の高評価にも相応しい作品かと思いました。

アイアン・スカイ・大統領執務室

お勧め作品です。

●映画『アイアン・スカイ』劇場予告編

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