「J・クルーニーの新境地(12．5/31・劇場)」
ジャンル：人間ドラマ
原題：THE DESCENDANTS
製作年/国：2011年/米
配給：FOX
時間：115分
公式サイト：http://www.foxmovies.jp/familytree/
公開日：2012年5月18日(金)
監督：アレクサンダー・ペイン
出演：ジョージ・クルーニー、シェイリーン・ウッドリー、アマラ・ミラー、ニック・クラウス、ボー・ブリッジス、ロバート・フォースター、ジュディ・グリア、マシュー・リラード、メアリー・バードソング、ロブ・ヒューベル、パトリシア・ヘイスティ他
滋賀県大津市のシネコンにて鑑賞。
主演のジョージ・クルーニーが、ゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞し、また、本作品自体が、作品賞(ドラマ部門)も受賞し、第84回米国アカデミー賞脚色賞も受賞した作品ということから期待していた作品ですが、私の場合には、それ以外の知識も無く、それらの予備知識のみを頼りに鑑賞に臨みました。
率直な感想と致しましては、
＜家族の絆と再生の物語＞であり、＜連綿と続くハワイアン一族の家族の系譜＞でもあるといった、スゴく意義深いテーマの映画ながらも、その中でも、、特に、コミカルでユーモア溢れる演技を披露した、今まで誰も観たことのないジョージ・クルーニー像の新境地を開拓した作品とも言える作品でしたね。
コミカルで、不器用な性格ながらも、一生懸命に＜家族の絆と再生＞を試みる主人公のマット・キング(ジョージ・クルーニー)の姿には心を打たれた映画でしたね。
何よりも、マット・キング演じる、我らの憧れのジョージ・クルーニーが、劇中に、妻を寝取った相手が訪れているコテージを見付けた際の、あの＜欽ちゃん走り＞には思わず笑ってしまいましたね(笑)。
また、今作は、「一族・家族の系譜」の意である『ファミリー・ツリー』といった邦題も、スゴく解り易くて良かったですね。
カウイ・ハート・ヘミングスのデビュー小説でもある、米国公開の際の原題の『The Descendants(＝「子孫」の意)』では、ちょっとピンと来なかったですからね。
これまでのアレクサンダー・ペイン監督の映画『サイドウェイ』などに登場した人物たちのキャラクターと同じく、ジョージ・クルーニー演じる主人公のマット・キングは、意固地な性格といった欠点を抱えながらも、生意気な２人の娘達には信用されず、妻には浮気され、一族の文無しの従兄弟達からは金の成る木と見なされながらも、何とかそんな中でも、不器用ながらも何とか自分なりの生き方を見出そうとする役どころでしたね。
ハワイを舞台にする必要性があったのかという事については、やはり、ハワイの広大な土地を所有する＜カメハメハ大王の子孫であり末裔＞という、ある種、特異でユニークな設定を活かすには他の土地に置き換えるべきでは無かったとも思われますので、ハワイを舞台に、＜連綿と続くハワイアン一族の家族の系譜＞をお話しの中に盛り込むことによって、よりお話しに広がりが持てたとも思いましたね。
また、＜ハワイアン一族の家族の系譜＞の側面もある映画ということからも、BGMもハワイアンになるのは当然の成り行きですが、挿入されているハワイアン・ミュージックが実に心地よくて良かったですね。
思わず、ハワイアン・ミュージックに彩られた、オリジナル・サウンドトラック盤が欲しくなりましたね。
私的な評価と致しましては、
我らの憧れの、あのジョージ・クルーニー像の新境地を開拓した作品とも言うべき作品でしたし、コミカルでユニークな視点ながらも、＜家族の絆と再生＞、そして＜ハワイアン一族の家族の系譜＞といった意義深いテーマに取り組んだ今作品は、アレクサンダー・ペイン監督ならではの非常に丁寧な作りである点からも、若干、少々焦れったい展開にも感じざるを得なかった点も有りながらも、その点を差し引いても、ジョージ・クルーニーの好演が非常に輝る映画でしたので、★★★★(80点)の高評価を付けさせて頂きました。
いま今、肉親・友人・恋人・近親者などに、素直に「ありがとう！」とは言えずにいる人々には、尚更に共感を得る作品かと思いますね。
そんな御方々にはお勧めの作品です。
●映画『ファミリー・ツリー』劇場予告編
- ファミリー・ツリー オリジナル・サウンドトラック/SMJ
- ￥2,520
- Amazon.co.jp
- ファミリー・ツリー (ヴィレッジブックス)/ヴィレッジブックス
- ￥861
- Amazon.co.jp