リネンサプライ工場では規模によりますが1日あたり何十トンにもなる大量の品物を洗濯します。もちろんそれぞれのクリーニング工程では大型の機械が処理をしますが、工程間の搬送を含めた自動化システムで省人・省力で処理することが必要不可欠です。
具体例としてシーツの洗濯フローを示します。搬送装置を使うことで①以降、⑤の手前まで人の手が加わることはありません。
①仕分け・投入
お客様から回収してきた使用済みシーツを計量器で重量を測り、コンベアなどで洗濯機に自動投入します。
この時に洗い方や後工程での脱水時間、搬送先を定めた洗濯プログラムを設定します。
②連続洗濯
連続洗濯機と言われる大型洗濯機で予洗い、本洗い、濯ぎを連続して行います。洗濯機のサイズにもよりますが1ロットあたり50kg程度の量を洗います。
③脱水
濯ぎから出てきた洗濯物は水を大量に含んでいるので、脱水機の遠心力もしくは圧力によって脱水します。
ここで残留水分率を50%くらいまで減らします(繊維の素材によって率は変わります)。
④シェーキング(ほぐし)
脱水した品物は圧力などで押し固められているので、そのままでは1枚1枚を取り出すことが出来ません。そこで乾燥機の中で品物をほぐします。この時に脱水によってできた品物のシワなども取り除くことができます。
⑤乾燥
濡れたシーツを完全に乾燥させます。ここでは投入機・ロールアイロナー・たたみ機とよばれる3つ機械が連続して設置されています。
人の手によって1枚のシーツが投入機に入れられ、拡げられます。そしてロールアイロナーと呼ばれる回転式のプレス機がシーツの残留水分を蒸発させ、アイロン掛けでシワを伸ばします。最後にたたみ機が巨大なシーツを持ち運べるサイズまでたたみます。
工場によってはたたみ機の前にビデオ検査機を設置し、汚れや破れのあるシーツを検出してNG品として排出するところもあります。
⑥結束
お客様へ届けるためにシーツ1枚1枚を数えて運ぶの大変なので、結束機で10枚単位など枚数をまとめて結束します。
なかなか文章だけではわかりにくいですが、上記がリネンサプライ工場における基本的なシーツの洗濯フローです。
次回以降はそれぞれの工程の機械をより詳しく見ていこうと思います。