◆おまけ「バガボンド」~vagabond 放浪者。

石田英司「暴動が続くニューカレドニア、日本人が国外退避」「急増する引き取り手のない遺体、国が実態調査へ」5月24日

 

 

青い海に足首まで漬かり、楽しそうにポーズをとる2人の日本人女性。

写真は、天国に一番近い島ともいわれる、南太平洋のフランス領、ニューカレドニアで撮影されたものだが、楽しいバカンスが一変、厳しい生活が続いている。

ニューカレドニアの中心部・ヌメアで、先週13日大規模な暴動が発生。

これまでに、憲兵を含む6人が死亡、約270人が逮捕された。

暴動は治まらず、空港は閉鎖されたまま。

日本人旅行者が、約50人足止めされる事態となっている。

番組では、ニューカレドニアの離島・イルデパン島に取り残された、日本人旅行客を取材し現状を聞いた。

今回、友人と観光のため島を訪れたAさん。
11日から15日までの、3泊5日の予定だったという。

島に取り残された旅行客・Aさん「13日の朝ですかね、ホテルをチェックアウトしようと思ったら、『すべてのフライトキャンセルだよ』と突然言われて、イルデパンの島から出られない状況になってしまった」

ニューカレドニアの航空会社によると、空港は25日まで閉鎖される見込みのため、Aさんたちは、合計13泊の滞在を余儀なくされているという。

追加で発生する費用は、ホテル代だけで約50万円以上。
さらに、食費は1日当たり約1万円。
合計で60万円以上の出費に。

さらに、ホテルでの朝食にも暴動の影響が。

島に取り残された旅行客・Aさん「最初は、朝食はビュッフェスタイルで、パン・フルーツが多く並んでいたが、オーダー式になりました。(暴動前は)果物は、1人あたり2切れ、スイカは大きい三角の1切れだったが、(きのうから)小さい丸のボウルに変わっていた。ホテルも節約しているような状況」

暴動以降、イルデパン島のガソリンが枯渇。

そのため、本島への移動が困難になり、食料などが届かず、備蓄でやりくりする日々が続いているという。

Aさんが滞在するホテルには、アメリカ人やオーストラリア人など、約30人の観光客が取り残されているが、島にいる日本人はAさんたちだけ。

島に取り残された旅行客・Aさん「わたしたちだけ日本人で、島に取り残されている。いつ迎えが来るかわからない。いつまで状況が続くのか一番不安。離島に誰か助けに来てくれることを祈って、待ち続けているので、どうかよろしくお願いします」

こうした中、オーストラリアとニュージーランド政府は、ニューカレドニアから旅行中の自国民を退避させるため、航空機を派遣することを明らかにした。

さらに、早期の出国を希望している数名の日本人についても、オーストラリアの協力を得て、出国する方向で調整している。

 

 

暴動が続く南太平洋のニューカレドニアでは空港が閉鎖され、今も多くの日本人観光客が帰国できずにいます。ホテルを延泊せざるを得ず、50万円以上の出費に苦しむ女性を取材しました。

■中心都市「ヌーメア」などで暴動…放火や略奪被害が相次ぐ

 「天国に一番近い島」として知られる、日本人にも人気の観光地、フランス領ニューカレドニア。しかし、1週間ほど前から中心都市のヌーメアなどでは暴動が起きていて、放火や略奪などによる被害が相次ぎ、これまでに6人が死亡しています。

 フランス系移住者の選挙権を拡大する政策に反発した先住民らのデモが、暴動の引き金になったとみられています。

先住民カナック
「(自分たち)カナックのことは考えられていないことに気づかされた」

 フランス政府は憲兵や警察を増員し、道路をふさいでいたバリケードを撤去するといった手段で暴動の鎮圧に向けて動いています。

 フランス政府は15日から非常事態宣言を出していますが、日本の外務省はきのう、ニューカレドニアの危険レベルを引き上げ、不要不急の渡航を控えるよう呼び掛けました。

■新婚旅行で…「予算的にも精神的にもきつい」

 新婚旅行でニューカレドニアを訪れている間宮さん夫婦は、突如暴動が始まったその日に、現地に向かう飛行機の中で暴動について知ったといいます。

間宮さん
「飛行機に向かっている途中でCAさんから言われて。それまでは全く情報入ってなくて」

 この暴動により1日目は空港から出ることができず、その場で夜を明かしました。

 スーツケースを受け取ることができず、必要なものは現地で調達しなければなりませんが、スーパーの棚は空っぽです。

 間宮さん達はなんとか宿泊先のホテルにたどり着きましたが、少なくともあさってまで飛行機が飛ばないことが決まっています。

 帰国予定日の18日は過ぎてしまっていますが、ホテルにとどまらざるを得ません。

間宮さん
「一泊1万円くらいのホテルなんで、延泊してる分仕事とかも出られていなくて、最悪1カ月とか続いたりしたらきつい。予算的にも精神的にも」

■影響は離島にも…延泊ホテル代50万円以上に

 今回の暴動の影響で空港が閉鎖され、多くの日本人観光客が帰国できずにいます。

 影響は風光明媚な離島にも広がっていました。観光で離島を訪れている2人組の女性は…。

離島を訪れている2人組の女性
「3泊の予定でしたが民間機が23日まで欠航することが発表されたことで、13泊が確定しています」

 追加でかかる費用は主に宿泊代や食事代。円安も相まって延泊のホテル代だけで50万円以上になっています。さらに…。

離島を訪れている2人組の女性
「私たちのいる離島ではガソリンが尽きたので、本島への移動手段が本当になくなった。あとは食料が尽きるまで、救援が来るか国内線が復旧するまで持ちこたえるしかないとのこと」

 オーストラリアは軍用機で離島に取り残された自国民の救助を行っているため、女性は日本政府も何らかの対応をしてほしいと訴えます。

離島を訪れている2人組の女性
「何の連絡もなく、日本の動きが見えません。日本までとは言わないので、せめて本島まで移動できるように手配を急いでほしい」

(「グッド!モーニング」2024年5月21日放送分より)