HVLA(スラスト)の原理(真野説) | 白山オステオパシー院長のブログ   東京都文京区 白山駅より徒歩3分

白山オステオパシー院長のブログ   東京都文京区 白山駅より徒歩3分

東京都文京区白山1-31-7鈴木ビル2F
御予約・お問合わせ03-6801-8639
アトピー・花粉症・食物アレルギー・脊柱側弯症・自閉症
などにも対応致します。赤ちゃん、妊婦さんもOKです。
どのような症状でも、お気軽にご相談下さい。
 
 

  


前回は一般的に説明されているスラストの原理を書きましたが、今回は

私なりに考えたスラストの原理を書きます。

これは以前にも少しだけ書きましたが、結論から言いますと、

結合組織内(筋肉の場合は腱の部分)に沈着したタンパク質を物理的に

破砕して、リンパ系に吸収させている、ということになります。

スラストを行う際には、可動制限のある関節を制限バリアのわずかに

手前まで動かして、そこからバリアに向けて瞬間的な力を加え、この

可動制限を取り除く、ということが行われます。

しかし、このバリアにもカチッとはっきりと止まる場所がわかるものも

あれば、なんとなく弾力があってバリアが不明瞭なものもあります。

この不明瞭なバリアのある可動制限の場合は、スラストはあまり向いて

おらず、他のテクニックを使った方が良いです。

では、なぜバリアにもいろいろな感触のものがあるかというと、腱などの

結合組織に沈着したタンパク質にも、時間の経過とともに柔らかいもの

から硬いものまで、いろいろなタイプのものがあるからです。

ですから、スラストが使えるタイプの可動制限というのは、その部分に

問題を起こしてから、ある程度時間が経って硬くなったものということが

できます。

しかし、あまりにも時間がたち、この沈着したタンパク質が硬く大きく

なっている場合は、逆にこのバリアに跳ね返されてしまうか、筋肉の

場合ならゴルジ腱器官のIb抑制反射を起こして、わずか数10秒間だけ

筋肉が弛緩して、またすぐに元の状態に戻ってしまうということに

なります。

スラストを行った際に、バキッとかポキッとかのPOP音がすることが

ありますが、良く言われる説は関節腔内のガスが一気に気化することに

より、圧と容積の関係を保つというものです。

私は単純に、結合組織の固まった部分が物理的に破砕されるときに、

このPOP音が、発生すると思っています。

例えば紐やロープのようなものに木工ボンドか何かを塗って固めたと

します。

そして、それを両手に持って一気にねじると、木工ボンドが砕けるとき

にバリッとかボリッとか音がすると思います。

要は、これがスラストを行なった際に関節から聞こえてくるPOP音と

いうことになります。

以上が私流のスラストテクニックに対する、原理の説明です。

なお、一般的にはスラストは時間が短くて非常に即効性のあるものという

イメージがありますが、私はそうは思っていません。

問題を起こしている筋肉、靭帯などは、ただ一方向だけの線維に問題が

起きているのではなく、かなりいろいろな角度にわたって問題が起きて

いる場合が多いです。

スラストというのは、数多くある線維のうちの一番制限の大きい部分

しか取り除けないため、何度も何度も角度を変えながら問題を

取っていかなければなりません。

受ける側のことを考えると一度の施術で同じ部位に、そう何度もスラスト

はできませんから結局は、また何日後に来てください。ということに

なります。

それよりは、スティルやフルフォードが行っていたように円を描くように

角度を変えながら、全ての線維の制限を取っていった方が、はるかに

効率的ですし、受ける側の肉体的、精神的、経済的負担も少ないと

思っています。

私の場合は、以前はこの円を描くような方法を使っていましたが現在は

問題のある組織をまとめてバリアまで持っていき、圧縮するという方法を

使っています。

こちらの方がより早く、制限を取ることが出来るようです。




     白山オステオパシーのホームページはこちら