1月4日から私は仕事が始まった。
娘の学童の迎えを19時までに行かなくては行けないので旦那の様子を見に義実家に5分ほど立ち寄った。
旦那は黄疸とむくみ、腹水、足はパンパンに腫れていた。
「ちゃんと薬飲んでる?お酒飲んじゃダメだよ」
と言うと何やらか細い声で返事する。
もう、しっかり会話する事もできない。
12月22日までトラック乗って仕事に行っていたのにたった2週間でこんな風になっちゃうの?
信じられない気持ちと仕事の為に相当無理していたんだなと思う気持ち。
警察を呼ばれてもおかしくないくらいの罵声の浴びせあい。
怒鳴り声、床を蹴る音。
腹が立って喧嘩ばかりしていた頃が嘘のように思えた。
もうすぐ消えそうな旦那の命を前にもう私は励ます事しかできなかった。
「大丈夫だよ!父ちゃん、お酒やめてしっかり肝臓治してまたみんなで暮らそう!
私、頑張って働くから!子どもらもみんな父ちゃんを待ってるから」
本心のような、そうではないような。
肝不全は治らない。
肝硬変も末期と言われた。
治療しても治らないと言われた。
いつ亡くなってもおかしくないと言われた。
入院しても緩和治療。
ただ、家にいても義実家にいても介護なしでは生活できない。
入院?訪問介護?
どちらにしても先は真っ暗。
このままの状態がどれだけ続く?
1ヶ月?
6ヶ月?
1週間?
考えれば考えるほど胃が痛くなり本当にあの時をどういう精神で乗り切ったか覚えていない。
息子はギブスで生活も支障がでていて色んなことを手伝わなくてはいけなかったからとにかく忙しくて考えても答えなんて出ないまま朝が来る。
「もう、お酒も作っても全然飲めないよ」
とお義母さんは言う。
でも、作ってそばにあるだけで旦那は安心するみたいだった。
旦那本人にはLINEしても返事は来ない。
文章を打つ事もできない。
お義母さんに言われてやっとLINEをみる。
既読は着くけど読めているか分からない。
お義母さんには、申し訳ないけど旦那が家にいないだけでとりあえず私の精神は保たれていたように思う。