バルコニーから見上げた空は目に沁みるような青。

眩しくて目を細めると雫がこぼれ落ちた。

ずっとそばにいて俺達の事を応援してくれると思ってたのに
何も言わずに行っちゃうなんてな…


手摺にもたれかかり 組んだ腕に顎を載せる。


「約束違うじゃん…」

恨み言を口にしたら感情の波が押し寄せてきて
腕に顔を埋めた。


「ここに居たんだ…」

窓を開ける音と翔くんの声。

泣いた顔が決まり悪くて顔を上げられずにいると
後ろから俺を抱きしめた翔くんが

「俺も……泣いちゃった…」


そっか…

そうだよな…


俺と同じように翔くんにとっても大切な人。



翔くんの重みとともに
右頬に翔くんの左頬が触れて

「ほんの少しさ…逢えなくなるだけだよ…」


ほんの少し…逢えなくなるだけ…


翔くんのその言葉を噛み締める。


「だって…
俺達も行くじゃん?
まだいつかは分からないけど
俺達だって ここを離れる日が必ず来る。

だからさ…また逢えるよ。

ほんの少しの間 逢えないだけ…
逢えないけど想いは繋がってるんだから…ね?」


…うん……そうだね…

ほんの少しの間…逢えないだけ…


ゆっくりと顔を上げて
悲しいほど青い空を見上げる。


「あの人…雨女だったのにね…」

「でも青が好きだったから喜んでんじゃね?」

翔くんがクスリと笑う。


二人で空を見上げると
大きく両手を掲げた あの人の柔らかい笑顔が青に透けた。



寂しくないと言ったら嘘になるけど
いつか逢える日まで…

また逢える日まで…

その青の向こうから応援しててよね。



☆*:.。. .。.:*☆ ☆*:.。. .。.:*☆ ☆*:.。. .。.:*☆


まだお話しを書き始める前から新月さんの大ファンでした。

いつもの寝る前のルーティーン。
布団の中でぬくぬくしながら新月さんのお部屋を覗くと
「酔っ払いの呟き」ってタイトルで
「(旅先で)ほっこりとしたお話を読んで眠ろうと思ったら
一気に読み進めてしまい…」
と書いてあって
「旅行に行ってんだね~楽しそう」って思いながら
自分の部屋に戻ると いいね履歴に新月さんのプロフ画がズラリ…

ビックリしたのが5年半くらい前の事でした。

それから私のお話しをイメージして画像を作ってくれたり…
初めて会ったのは5年前?
それからは遠征にご一緒させて貰ったり
横浜でオシャレディナーをしたり
ロケ地や温泉に行ったり、都会のホテルでお泊まり会も…

これから先も一緒に楽しい時を過ごせると思ってたのに…

悲しいし、寂しいし、果せなかった約束もある…
沢山の心残りが有るけれど、でも一番大きいのは感謝の気持ちです。
新月さんに出会えた事に感謝しています。
本当にありがとう。


新月さん…
お父さんにはもう逢えたかな?
今はまだ知り合いも少なくて寂しいかもしれないけど
いつか必ず私も行くからね。
きっと50年後には ほぼほぼ全員そっちに行ってるから(笑)
そしたらまた一緒に遊ぼうね。
それまでほんの束の間のお別れです。
新月さん…またね!


☆*:.。. ま〜ら .。.:*☆