☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆





レジはやっぱり混んでいて どの列も7、8人くらい並んでいる。
手持ち無沙汰にカゴの中を見つめていると

「櫻井ン家のシチューってどんなシチュー?」

どんなって…?
シチューに どんなもこんなもあるのか?

「やっぱキュウリは入ってねえよな?」

嬉しそうに俺の顔を覗き込む。

完全に俺をからかって喜んでるしっ!


「入ってないっすよ!
あれは…シチューの事しか考えてなかったから…」

口を尖らせて反論すると

「あはは…そうムキになんなよ」



お袋が作ったクリームシチュー…

俺が好きだから結構しょっちゅう作ってくれてたけど
シチューの箱の写真と同じ見た目で
特にアレンジが加えられていたとは思えない…
今考えると ずっと共働きだったから
簡単に作れるシチューは お互いの利益が一致するメニューだったのだろう。


「多分普通のシチューっすよ?
箱の写真のまんまで…
あんま気にしてなかったけど…」


あの頃の記憶を手繰り寄せる。

お袋が鍋の中のシチューをかき混ぜている横で
背伸びをして覗き込んでいる子供の頃の俺…

シチューの優しい匂いは あの頃を思い出させて
今でも胸の奥が温かくなる。


「コーン入れた?忘れてないよね?」

「大丈夫。ちゃんと入れたわよ。」

「沢山入れてよ?」

「はいはい…
翔ちゃんが好きだから沢山買っといたからね」

西日が当たる台所でセピア色のお袋との会話。