☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆

 

 

 

 

 

時間ギリギリまで土手の道をうろついていたけど

智には会えなかった。

 

そんなに いきなり会える訳ないか…

 

諦めて土手から降りる階段を一段降りる。

もしかしたらこの土手を降りた瞬間に

俺の背中を智が通り過ぎるかも…

 

何度も振り返って

後ろ髪を引かれつつ潤の家に向かった。

 

 

「翔先生 無理させちゃってごめんなさいね」

 

休憩時間にアイスコーヒーを持ってきてくれた

潤のお母さんに言われて

 

「あ…いえ…もう大丈夫ですから…

昨日はすみませんでした」

 

と頭を下げる。

 

「それはいいのよ…仕方ないんだから。

でも…まだちょっと顔色悪い気がするけど…

少し痩せたんじゃない?」

 

心配そうに俺の顔を覗き込む潤のお母さんに

 

「そんな事ないですよ…」

 

無意識に頬を撫でて目を逸らした。

 

「今日は無理しないで早めに切り上げてね。

なんだか雨が降りそうな空模様だし…」

 

「はい。ありがとうございます」

 

潤のお母さんが部屋から出て行くのを見送ると

アイスコーヒーを手にとって

ストローでクルッとかき混ぜたら

カラン…と一足早く夏の音がした。

 

ストローを口にくわえて一口飲む。

口に広がるコーヒーの味が

いつもよりも苦く感じるのは気のせいか?

 

智会いたさに薬を飲んだ。

そのせいで起きられず

挙句に具合が悪くなったなんて

口が裂けても言えたもんじゃない。

 

罪滅ぼしって訳じゃないけど

今は智の事は忘れて

潤の勉強に集中しよう。

 

グラスを置くと

 

「じゃぁ続き始めよっか…」

 

潤に声をかけた。