「えぇ!お陰様でね!」

俺の頭の中に黄色信号が点滅する。

ややこしい事に…なりそうな予感。
自分で分かってるのに…
分かってんだよ?
素直になれば丸く収まるって。
なのにアンタが…俺に好きな人が出来て
良かった、良かったって連発するから…
だから俺の口から余計な言葉が出ちゃうんじゃん!

「もぉここに来て、相葉さんに迷惑かける事も
無くなるでしょうよ!」

ほらぁ~~~言っちゃったじゃ~ん!
完全に赤信号に変わっちゃったよ。

「なんだよ!その言い方!折角心配して…
大チャンに振られて落ち込んでると思ったら
好きな人が出来たっていうからさ!
良かったねって…言ったんじゃん!
なのに…なんだよ!」

珍しく相葉さんが怒った顔で反撃する。

「心配してくれなんて頼んでませんから…」

「なんだよ!それ!じゃぁ好きにすればいいだろ!」


俺……バカだ。

肝心なトコで素直になれなくて…
大野さんの事、吹っ切れたよって…
俺の居たい場所はココなんだよって…

そう言うつもりだったのに……

自分が情けなくて涙が出そうになる。

「俺………帰る。」

バッグを掴むと玄関へ向かう。

バカだ!大バカだ!
俺も…
俺の気持ちに気付かない相葉さんも大バカ野郎だ!
そーだよ!アンタが全然気付かないのが悪いんじゃん!
早く気付けよ!相バカっ!