どうするったって…
どうにもならないじゃないか。
サトシくんが俺の気持ちに気付いてるのに、
何も言わないって…それが答えだろう…?
サトシくんには、ずっと好きな人がいるって…
松本も…ニノだって言ってたじゃないか。
俺にサトシへの気持ちを気づかせて、
一体どうするつもりだったんだよ。
何を考えてるのか分からないニノに次第に腹が立ってきた。
「あ~~~ぁ…鈍感なのは、自分の気持ちにだけじゃないのか…」
腹を立ててるのは俺のはずなのに、
ニノの目が怒っている。
苛立った口調で
「もぉそんなんだったら、潤くんに取られちゃって下さいよ!
潤くんだったらこんなに面倒くさい事は無いし
私もヤキモキしなくて済むし!
私はどっちだっていいんですよ!アノ人が幸せなら。
でもね、残念ながらアノ人の幸せは潤くんの隣じゃ
ないんですよ!」
そう……アノ人は…
アノ人に…好きだったと伝えた時
ありがとう……って
そして
ごめん……って
ずっと前から…好きな人が居るって…
これからも変わらないって。
その時のアノ人が、寂しそうだったら
手放さなかったかもしれない…
アノ人への想い。
でも…アノ人は、凄く優しい顔で笑って…
その人を想って、幸せそうだった…
「伝えるつもりも、気付いてもらうつもりもないけど…
あの顔をずっと…ずっと見ていたいんだ。
本人は全く気付いてないけどね、俺の事が好きで好きで
仕方がないって顔で俺を見るんだ。
俺は…その顔で充分。
ずっと…これからもずっと、その顔を見ていたいんだ…」