「ねぇねぇ!もぉ終わりでしょ?!メシ行こうよ!」

相変わらずだな…ずっと断られ続けてるのに懲りないヤツ…
必死に誘う松本の様子が可笑しくて、クスッと笑いかけた時に

「…いいよ」

「えっ!!!」

「…っ!!!」

二人同時にサトシくんを見る。

「いいよ…メシ。どこ行く?」

あんなに断ってたのに…
行くんだ…?
この前のニノの言葉が頭をよぎる

「想うよりも想われる方が……」

松本が身を乗り出して、満面の笑みで

「ホントに~?!イエーィ!何?何食べたい?
どこがいい?俺、直ぐに予約するからさ!」

気が変わっちゃ困る…と言わんばかりに焦って
畳み掛けるように話しを進めていく。
その勢いにタジタジと苦笑いをしてるサトシくんと目が合った。

「ショウくんは?どうする?」

たまたまこの場所にいた俺に、社交辞令だって分かってる。
大喜びしてる松本のデートの邪魔をするつもりはない…


「……俺も行こうかな…」

ビックリした松本の顔を見て、自分自身がビックリする。
え?俺…今、何て言った?

「あ…いや…俺は…」

慌てて打ち消す前にサトシくんが

「ん!じゃぁ行こう!」

思いがけない展開に、申し訳なくて松本の顔が見られない…

「やっぱり遠慮しとくよ…」

でも…何故かその一言が……言えなかったんだ。