「松潤…来ないね……」

合宿二日目の朝。
早朝ランニングをして、ゼーハーしながら相葉ちゃんが呟く。

「先週ジムで会った時には楽しみにしてるって
言ってたけど…ドラマも佳境みたいだしね…」

電話も繋がらないから、長引いてんのかな…
やっぱり無理だったか…

最後の方は独り言みたいに呟く。

みんなそれぞれ忙しくて、最近五人でゆっくり話をすることが
少なくなってきた中で決まった合宿。
なんとかスケジュールを調整して、全員が参加できると
決まった時の喜び様ったら…
松潤もジムで話した時は凄く嬉しそうだったんだけど…

大事な合宿なんだ…
レースだけじゃなく…
俺ら「嵐」として…

もう一回電話を掛けてみよう…と携帯を出した時に

「あっ!来たーーーっ!」

え?

ニノの指差す方を見ると…

来た…
松潤がふざけながらこっちに向かって走ってくる。
手を振って…笑ってる!!!

「松潤~!!!」

俺も思わず走り出す。
周りのみんなも。

松潤が俺に向かって、真っしぐらに
両手を広げて抱きついてきた。
そして俺の耳元で

「遅くなってゴメン…リーダー。」

えっ?

聞き返した時には、もう揉みくちゃになってた。

「と、とりあえず…」

「光さんの所に行こう!」

松潤……
松潤の目に強い光が宿っていた。

二人で光さんの家に行く。

「遅くなって申し訳ありませんでした。
遅れを取り戻す様に頑張りますので
よろしくお願いします!」

玄関先に出てきた光さんに、松潤が帽子を取って
深々と頭を下げた。

「遅くなっても絶対来る!……大野の言った通りだったな。」

光さんが嬉しそうに笑った。