スーパーには平身低頭の回答と共に投書が張り出されているコーナーがあります。建設的な意見はほぼ0で、投書主の一方的な見解に基づくクレームが大半なのは残念なことだと思いつつ、参考まで見ています。しかし、中にはなるほどと思われるものも散見され、具体的な改善・改革の努力が求められる場合も少なくありません。私は、ディスカウント会社、医療機関のコンサル歴が長く、投書の実物を見てきましたが、これらの経験を踏まえ、投書対応につき、書くことにします。
 

一般的に買い物をする側をお客様と言いますが、医療機関のお客様は患者です。大分前からですが、患者を“患者さん”ではなく、“患者様”と呼ぶようになっています。この是非については機会を見て書くつもりですが、お客様扱いしていないと思われるシーンは珍しくなく見かけます。医療はサービス業である!とオッと思う言い方をしている関係者もいますが、そうなっていない実態があり、依然として“診てやる”という意識の持ち主もいるのが現状です。
お客様である患者が、医師を『先生』と呼ぶ習慣にも問題がありますが、長い歴史の中でそうなってきたものをひっくり返すのは困難でしょう。私が関与したシステムでは各診察室の診察待ち一覧での医師の表示を、当初の“××先生”から“××医師”に変更しましたが、できるところから始めるしかありません。
 

少し横道にそれましたが、この様な雰囲気にある医療機関での投書の処理はどうなっているのでしょう。中部地方にある年間来院数十数万人を超える単科の著名な専門病院の例を紹介します。以下の手順で処理しているとのことです。

院内3ヶ所に設置されている意見箱を事務責任者が毎日回収
 一ヶ所ではなく複数箇所、一定期間纏めてではなく、毎日!
投書された意見を院長にメールすると共に、グループウェアに掲載
 トップへの報告と全スタッフ間の情報共有
対応が必要な意見については直接患者さんに連絡、適宜謝罪、説明
 素晴らしい!
月1回のリーダー会で月内に集まった意見について話し合う
 ②で共有するだけでなく、各部門リーダによる意見交換で徹底を図る
意見と回答をラウンジ待合室、診察室待合室の大型ディスプレイに表示
 ③だけではなく、来院する患者さんにも周知。患者満足度向上に寄与
院長に対する苦情はじめ、どの様な意見でも見せている
 なかなかできないことです。
 

最後の部分、素晴らしいですね。トップに対する苦情だったりした場合には事務局が見せないこともあり得るからです。理由は機嫌を損ねる!という人間的な理由ですが、トップが上意下達の唯我独尊な発想の持ち主だった場合には事務局のこの対応はやむを得ないかも知れません。なお、この病院では、スタッフの個人名が入っている意見に対して、良い意見は賞与で特別分を支給し、苦情は反省を書いてもらっているということで再度驚きました。素晴らしい制度を設け、且つ実行している病院があることを知り、ホッとさせられました。


少し調べたところ、患者にアンケートを取って集計し、結果をグラフ化すると共に、根拠を示して回答し、Web上で公開しているクリニックがありました。例えば・・・
冬暑いという意見に対し
 暑いようでしたらスタッフにお伝えください。「良かった」との回答が163、「悪かった」が4ですので個人による体感の違いもあるのかもしれません。
室内をもっと明るくして欲しいという意見に対し、
 205名の方が「良かった」を選択し、「悪かった」は2名なのでご容赦ください。
 

この姿勢、内容、大いに参考になると思われます。先に紹介した病院の事例も含め、投書・意見を放置せず、適宜的確に対応すれば、患者満足度が上がるのは間違いないでしょう。

※ご質問はosugisama@gmail.com、あるいはsugi@sugi-tec.tokyoにどうぞ!